【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第260回 〈ふぐ料理専門ECサイト「ふく太郎本部」〉/「古式引き」で作られる逸品・ふぐ刺身を提供

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
古川幸弘氏

古川幸弘氏

 ふぐの本場・下関で昭和33年に割烹料理店を開業し、昭和58年から全国に先駆けてふぐ料理宅配専門店を開始した「ふく太郎本部」。国産ふぐへのこだわり、職人の技、加工技術など、専門店ならではの強みを生かし、年間を通してふぐ料理を提供している。伝統の技を引き継ぐ刺身から人気の新商品まで、多彩な品揃えで売り上げを伸ばすネットショップについて、古川幸弘社長に聞いた。

◆商品の特徴

 古川社長の祖父、古川正二氏は関門地方で伝統的なふぐの「2枚引き」の名人だったという。その技を受け継ぐ「古式引き」によって作られるふぐ刺身は、この店ならではの逸品だ。
 「2枚引きは、古き良き時代の贅沢で豪快な食べ方でした。それを現代風にアレンジしたものが『古式引き』のふぐ刺身です。ふぐは高級品であるとともに、ふくという呼び名から、縁起のいい魚として取り扱われます。当店でも、お祝いごとに使用される機会が増えてきました。母の日にはカーネーション、父の日や敬老の日には鶴の形、バレンタインデーにはハート型に盛り付けるなど、淡白な味のふぐ刺身を目でも楽しんでいただけるよう工夫しています」
 技を磨き続ける包丁師によるふぐ刺しを提供する一方で、新商品の開発・販売にも力を入れている。
 「『ふく白子リゾット』『ふく焼きカレー』『幸せの紅白ふく』は販売して間もない商品ですが、売れ行きは好調です。リゾットとカレーは常温商品で価格も手ごろなので、お土産や景品に使用されることも多く、若い世代にも少しずつ人気が出ていると感じます」


◆客層・声

 ネットショップの顧客層は、関東と関西の40代後半~60代が中心。家族が集まったときに利用する人が多いという。
 「用途は自宅用が約7割、ギフト用が約3割。ネットショップ訪問者のうち約8割は新規の方ですが、購入する方はリピーターが多いです。お客さまからは、『子ども夫婦と孫たちで集まって食べた』『孫がおいしいと言ってくれた』といった声が寄せられ、その光景が目に浮かんで幸せな気持ちになります。また、商品に対するクレームも貴重なご意見ですので、真摯に受け止め、業務改善に役立てています」


◆売れ行き・今後

 メディアでの紹介や話題性のある新商品への反響などにより、売り上げは毎年伸びているという。
 「全国放送や地方ローカル局のテレビ情報番組で紹介されたときは、大きな反響がありました。最近では、『日本ギフト大賞2019 山口賞』に選ばれた『幸せの紅白ふく』への反響も大きいです。現在のサイトにリニューアルしてから7年ほど経ちますが、訪問数、売り上げともに落とすことなく伸びています。本年1月単月で見ると、前年同月比で売り上げは137%、訪問数は163%です。今後も数字を伸ばしていけるよう、情報発信していきたいと思います。また、国際ふぐ協会の代表として、日本の伝統的なふぐ文化を世界に向けて発信する活動にも力を入れていきます」


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社ふく太郎本部
【開設時期】2003年
【スタッフ数】4人
【ショップ形態】自社ショップ、47クラブ
【導入システム】MakeShop
【配送委託先】ヤマト運輸

「とらふく刺身古式引き」

「幸せの紅白ふく」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

こだわりの逸品 特産品EC 連載記事
List

Page Topへ