【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第118回 〈鯛めし・出雲の料理専門ECサイト「出雲皆美本舗」〉/島根の良いものを、独自の味付け・調理で発信

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ご飯に秘伝だしを注いで食べる「鯛めし」

ご飯に秘伝だしを注いで食べる「鯛めし」

第118回 鯛めし・出雲の料理専門ECサイト<出雲皆美本舗>
 創業明治21年、島根県松江市、宍道湖畔に建つ老舗旅館「皆美館」。ここに受け継がれている伝統料理や、調理長自ら厳選した地場の素材を生かした商品を販売するネットショップ「出雲皆美本舗」。特に家伝料理「鯛めし」は、ほかでは味わえない逸品だ。〝皆美の味〟へのこだわりや全国への広がりについて、通販部の井上剛氏に聞いた。

●こだわり
 松江市を代表する名物料理「鯛めし」は、他地域でいう鯛めし(切り身や釜飯)とは違い、食べやすく飽きのこない味が特徴だ。
 「『鯛めし』は、江戸時代、松江藩7代藩主・松平不昧公がお気に召されたという説をもとに当館初代料理長が考案し、代々受け継がれている料理です。タイのそぼろは国産タイの上身(刺身にする部分)を使用。秘伝のだしはあっさりとしてもたれない、カツオの本節をベースに、松江のしょうゆを使っています。4年前、『鯛めし』をご家庭でも楽しんでいただけるよう、冷凍でお届けできる商品を開発しました。また、『鯛めし』のだしを買いたいというお客さまの声をヒントに、料亭皆美のだしを考案。現在、『鯛のだし』『あごのだし』『こんぶだし』の3種類を販売しています」

●客層・反応
 ネットショップ開設のきっかけは、旅館や料理店の顧客へのアプローチ。当初は商品加工を別会社に委託していたが、自社で商品加工・生産を始めると同時にネットショップを一新、本格的に全国への販売を開始した。
 「旅館業、飲食業、サービス業と違い、製造販売(物販)業は新規事業であり、経験がないところからのスタートでしたので、いろいろ苦労しました。ご利用いただく方は、やはり皆美の利用客、宿泊客が多いです。リピーターの割合も多く、関東圏の方からの注文が多いのも特徴です。印象的だったのは、数年前『大阪皆美』が閉店しまして、その後、大阪のお客さまから『お店がなくなっても鯛めしが家で楽しめて懐かしい、うれしい』という感想をいただいたこと。ネットショップを通したつながりの大切さを感じました」

●売れ行き・今後
 商品の認知度とともに、売り上げも徐々にアップ。設立時に比べ通常月で約10倍、繁忙期(お中元・お歳暮)には通常月の約2倍の注文が入るという。
 「『特製和風おせち』はリピーターが多く、今年もほぼ完売しました。ネットの販売数は50個ですが、百貨店などにも出していて、総販売数は300個です。また、料理店、通販商品ともにメディア取材は年間かなりの件数があり、紹介された時期は注文が増え、効果があります。しかし長い目で見ると、DMを定期的に送るなど地道なアプローチが大切だと感じます。今後は、さらなる顧客獲得に向け、サイトの改良も随時行っていきたい。島根の良いものを、皆美の味付け・調理方法で、多くの方に発信していきたいです」


特産品EC 企業データ
【運営】有限会社 松江皆美館
【開設時期】2012年10月
【スタッフ数】2名
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】ヤマトシステム開発
【配送委託先】ヤマト運輸
 ※ネットショップ向けの卸については応相談

しまね和牛の霜降り肉を特製西京みそで仕上げた「島根和牛の西京漬」

井上剛氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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