【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第108回 〈煮貝専門ECサイト「みな与」〉/食通うならせる伝統の煮貝 全国にリピーター増やす

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

近海の鮑を伝統の味で仕上げた「肝つきあわびの煮貝」

甲州名物「煮貝」は、海のない甲州の人々に「生の味を生かした鮑を食べさせたい」という思いから生まれた商品。創業400余年の老舗「みな与」の6代目と鮑の産地の人々が加工研究し、煮貝の製法を完成させたという。食通をうならせる伝統の煮貝は、ネットショップを通して全国にリピーターを増やしている。11代目店主の飯島彰氏に聞いた。

◆歴史・伝統

 煮貝の由来は、現代のような交通手段も冷凍冷蔵設備もなかった約400年前にさかのぼる。浜で採れた鮑をしょうゆだるに詰め、馬の背に乗せて運んだところ、ほどよく揺られながら馬の背の体温で温められ、甲府に着く頃にはしょうゆがよく染み、ほどよい味加減になったのが始まりと言われている。当時から魚店を営んでいた「みな与」は、〝煮貝の元祖〟として変わらぬ味を守っている。
 「煮貝は鮑をしょうゆで煮たものなので、『煮鮑』と呼ぶのが本当ですが、通称・煮貝として親しまれています。昔ながらの当店のパッケージには中央に『煮鮑』の文字とイラストがあり、目印となっています。先代が考案した伝統食品ですので、昔ながらの製法に沿った味づくりを追求していきたいと思っています」


◆こだわり

 「みな与」の煮貝は、百貨店やスーパーなどへの卸販売は行っておらず、甲府の実店舗と自社ネットショップの直販のみに限定している。
 「当店の煮貝は、国産の肝(わた)つき天然鮑にこだわり、鮑本来の味を生かした保存料なしの手作りです。保存料を入れてしまうと味が変わってしまうため使用しないのですが、日持ちがしないため、直販のみとなっています。作り置きはせず、ご注文をいただいてから必要な量だけを真空パックし、クール便で発送しています。新鮮な鮑ならではの歯ごたえや肝の旨味・風味など、素材の持ち味を大切にした製法によるおいしさが特徴だと思います」


◆反応・売れ行き

 ネットショップでの人気商品は、鮑2~3個(220グラム)入りの「肝つきあわびの煮貝(樽詰め)」1万800円。お祝いごとなど贈り物としての利用が多く、ついでに自宅用にと手頃な価格の商品を購入する人も多いという。
 「『鮑の軟らかさとしょうゆのタレが他の店と違う』という声をよくいただきます。また『肝がとてもおいしい』という声も多く、肝を秘伝の濃口しょうゆで味付けした『煮わた』もリピーターの多い人気商品。お客さまから教えていただいたのですが、肝と残ったしょうゆを使った炊き込みご飯のレシピが好評です。今後、秘伝のタレを使った炊き込みご飯の開発も考えています。テレビや雑誌、漫画『美味しんぼ』でも紹介され、ネットショップの売り上げは年々伸びていますが、購入しやすい機能やサービス、SNSでの情報発信などを充実させて、お客さま・リピーターを増やしていきたいと思います」


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社 みな与商事
【開設時期】2007年7月
【スタッフ数】3人
【ショップ形態】自社ショップ(運営は代行会社)
【導入システム】なし
【配送委託先】ヤマト運輸

ほろ苦くまろやかな風味の「煮わた」

飯島彰氏(左)と12代目の飯島尚氏(右)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。


こだわりの逸品 特産品EC 連載記事
List

Page Topへ