【こだわりの逸品を全国展開 特産品EC】第77回 〈藍染め製品専門ECサイト「藍色工房」〉/優秀な生薬でもある藍を生かして商品開発

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冬限定販売の石けん「きらり」は保湿にシアバターや和三盆を配合

冬限定販売の石けん「きらり」は保湿にシアバターや和三盆を配合

 藍の産地として長い歴史を持つ徳島県。実家の農園で昔行っていた藍の栽培を復活させ、石鹸をはじめとする藍染め製品を製造販売する「藍色工房」社長の坂東未来氏。藍の薬効を生かした商品を通して、日本ならではの暮らしの知恵、その魅力を伝えたいという。

◆商品開発・思い

 坂東さんが「藍染め石けん」を作ろうと思ったきっかけは、ご主人の肌トラブル。ご両親が農園で栽培する藍を使い、実験・試作を繰り返し、肌にやさしいせっけんが誕生した。
 「藍の葉をどのような状態でどのように加工すればいいか、専門家との共同研究も行いながら実験を重ねました。主人の肌の刺激にならず、健康な肌の状態を守ることができるせっけん、同時に藍色を再現したいという欲も重なり、今のレシピにたどり着くまで1年ほどかかりました」
 肌質に合わせたせっけんをはじめ、コスメや雑貨も販売している。
 「藍の抗菌成分を活かしたコスメ類、遠赤外線効果を生かした肌着類など、美しい色と機能性を持つ商品開発を行っています。染料として親しまれてきた藍が、実は優秀な生薬であったという新鮮な発見をお届けし、親しみを感じていただければと思っています」


◆サイト作り

 ネットショップ設立時は、ご主人と二人でできることから始めたという。
 「主人がホームページ・ビルダーでサイト構築を行い、テキストは私が書き、写真撮影は二人で行いました。6年前からは私自身がサイト作りをしていますが、写真はできるだけ大きく、明るく、点数を多くしています。デザインは清潔感を大切にし、青系が多くなりがちなので赤系の差し色を使うことも心掛けています。文章で大切にしているのは、私自身が感じた『感動のポイント』をお伝えすること。コンテンツはまだまだ少ないと感じていて、作業風景、せっけん作りの手順や効果的な使い方など、情報ページを充実させたいと思っています」


◆宣伝効果・売れ行き

 主な客層は40~60代、肌トラブルで悩んでいる人のリピート購入が多いのが特徴だ。
 「購入されるのはご本人ではなく、ご家族のためにという方が大半です。私が主人のためにせっけんを作ったように、側にいる方が心配されているご様子が伝わってきます」
 顧客獲得、売り上げアップに効果的な方法は、フェイスブックページの利用だという。
 「画像とテキストとリンクを一度に投稿できることが、藍染め製品にマッチしていたようです。フェイスブックへの広告予算は必須ですが、少額でコツコツと続けています。現在、毎月の売り上げの約3割がフェイスブックの投稿経由です」
 SNSの活用でファンを増やしている「藍色工房」。農園や工房の様子、藍染めの生地の色合いなど、商品製作の過程や環境が伝わる日々の投稿が、多くの人の心を捉えている。


〈運営会社概要〉
【運営】有限会社 藍色工房
【開設時期】2003年11月
【スタッフ数】4人
【ショップ形態】自社ショップ
【導入システム】産直くん
【配送委託先】ヤマト運輸、日本郵便

先発、全身に使用できる石けん「グランブルー」はネットショップ限定販売の人気商品

坂東未来氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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