【ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】□□35 ジャパンEコマースコンサルタント協会 小林厚士理事〈ディライト「スムージー専門店グリーンスムージーナ」〉/初回から定期加入を促す

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定期便を案内する箇所

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グリーンスムージーとは本来、生の葉野菜と果物と水をミキサーで混ぜ合わせたジュースのこと。ダイエットや健康増進・維持を目的とし、海外セレブや芸能人の間でも根強い人気がある。
 生野菜や果物を買い求めるだけでなく、ミキサーが必要になるという点では一般消費者にはやや高いハードルだ。そんな中、「スムージー専門店グリーンスムージーナ」は水に溶かして飲む粉末状にすることでグリーンスムージーに近い色合いや食感、栄養価を自社開発で再現して販売している。
 販売する商品は粉末状のグリーンスムージーのみで、単品リピート型の定期販売を行っている。粉末スムージーの商品としては後発とのことだが、その分、他社商品を徹底的に研究して飲み味や香りを改善。プラットフォームである「EC―CUBE」の運用・販促に合わせた機能拡張を適宜実施しつつも、定期販売システムの開発元と密なアライアンスを組んでいる。
 運用が複雑な定期販売の管理をウェブ上で一括管理しているため、運用の手間が大幅に削減できているという。
 販促運用のポイントは、お試し購入から2ステップでの定期引き上げではなく、初回から定期コースに加入していただく方式を採用。また、高い品質で他社と遜色のない価格を実現するため、広告費は極力抑えている。
 一般的に単なるダイエット商品では、目標を達成し終わったお客さま、もしくは達成できなかったお客さまが多く離脱する傾向がある。そこでダイエットから健康増進へ移行するお客さまをサポートするため、商品に同梱するニュースレターなどに注力している。
 接客についても健康食品通販の大手出身のスタッフを採用することで、顧客満足度の向上に取り組んでいる。
 業界的には後発でありながらも、自社にて商品開発、プラットフォームの構築から運用管理、単品リピート型の定期販売システム開発などをほぼワンストップで行うことで、同業種には負けない高い精度と運用効率が生み出されているといえる。


〈筆者プロフィール〉
こばやし・あつし
 99年に楽天市場出店を機に、最大七つのECサイトを運営。楽天店舗では02年楽天ショップオブザイヤースーパーオークション賞受賞。長野県・新潟県・富山県・山梨県登録専門家(IT部門)。経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業 認定専門家。物販で培ったマーケティングノウハウを生かし、経営視点かつ現場最優先の実践的なコンサルティングを得意とする。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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