【千原弁護士の法律Q&A】▼443▲ リクルート時の名刺交付について(2025年12月4日号)

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【質問】

 連鎖販売取引企業の法務担当です。当社では、会員に対し、リクルート時に名刺を渡すことを義務づけています。名刺には、会社名、会員の氏名・電話番号・メールアドレスが記載されています。最近、会員から、電話番号やメールアドレスは書かず、氏名とLINEのIDのみにしてほしい、という声があります。また本名ではなくビジネスネームを利用したい、という声もあります。(1)リクルート時の名刺の交付は法的に必要なのでしょうか(2)会員の要望どおりの変更は可能でしょうか(3)千原先生のセミナーで、SNSを利用するリクルートの場合、「投稿自体に会員の氏名・住所・電話番号の記載が必要」とうかがいましたが、こちらはいかがでしょうか─。(ネットワークビジネス企業法務担当)

【回答】 ビジネスネームでの記載は告知義務違反に


 まず(1)ですが、結論として、リクルート時の名刺の交付は法的な義務ではありません。
 特定商取引法では、リクルート時の「事前告知義務」が規定されており、(1)会社名と勧誘する会員の個人名(2)特定負担(商品やサービス等の購入等)を伴うビジネスであること(3)商品やサービス等の種類─の3点を告げる必要があります。これらは「口頭」で告げれば良いものです。
 貴社の現在の様式の名刺の交付を義務づければ、少なくとも(1)は果たしたことになります。
 コンプライアンス的には良いことで、NB企業で、リクルート時の名刺の交付を推奨している企業は多いと思います。
 (2)ですが、

(続きは、「日本流通産業新聞 12月4日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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