【千原弁護士の法律Q&A】▼423▲ 自社割賦の書面交付義務はあるか?(2025年2月6日号)

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<質問>

 当社は、化粧品やサプリメントの訪問販売を行っています。お客さまが分割払いを希望するときは、提携しているクレジットを利用しています。特商法の契約書面に加えて、クレジット会社仕様の割賦販売法に基づく法定書面も交付しています。ただ、クレジットが通らない場合、自社割賦を利用する場合もあります。先般、クレジット会社から、自社割賦の場合も割賦販売法の書面の交付が必要だとの指摘を受けました。当社では自社割賦について手数料や利息等はいただいておらず、不要だと思っていましたが、いかがでしょうか。(訪問販売会社社長)

<回答> 条件によって書面交付義務あり

 顧客に対して自社割賦などを利用して分割払いにする際、(1)訪問販売に対応する特商法上の契約書面(2)自社割賦の場合の割賦販売法に基づく法定書面─の二つの交付が考えられます。
 自社割賦であっても割賦販売法上、以下の場合は、契約締結時に法定事項を記載した書面交付義務を負います。
 すなわち、「指定商品または指定役務」について、割賦販売法所定の支払い方法(例えば販売代金等の対価が、「2カ月以上の期間」「かつ」「3回以上の分割払い」により支払われるものなど)により販売することを業とする場合、自社割賦として割賦販売法の規制の適用があります。
 「指定商品」(および指定役務)の場合は割賦販売法の適用があり、特商法の訪問販売の契約書面に加えて、割賦販売法に基づく書面を交付する必要があります。
 化粧品やサプリメントは、

(続きは、「日本流通産業新聞 2月6日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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