【千原弁護士の法律Q&A】251 成分表開示請求への拒絶は法的に問題があるか?

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

(質問)
 弊社は、化粧品と健康食品を連鎖販売取引で、販売しています。今回、会員から、健康食品について、成分表の開示を求められました。会員は、それぞれの成分の含量も含めて開示するよう求めています。弊社の商品は、非常に多くの自然成分等を入れて製造しており、含量、製法も含めて企業秘密としています。できればお伝えしたくありません。その会員は、開示することに、かなりこだわっているのですが、拒絶することについて、法的な問題はないでしょうか。
  (化粧品・健康食品ネットワークビジネス会社社長)

”健康食品の場合、開示する法的義務はないが…”

(回答)
 結論を言いますと、開示をお断りすることについて法的な問題はありません。
 ご存じのとおり、化粧品については薬機法に基づく全成分表示の義務がありますが、健康食品についてはそこまでの義務が課されておらず、食品表示法による栄養成分表示の義務にとどまります。この「栄養成分表示」の詳細は、消費者庁から詳細なガイドラインが出ていますので、そちらをご確認ください。
 会員が請求する根拠があるとすれば、この食品表示法に基づくものと考えられます。食品表示法の要求する表示の範囲を超えた成分や含量の開示が求められているのであれば、貴社がこれに応じる法的義務はありません。そして「企業秘密」という理由は、世間的にも受け入れられるものであり、貴社の措置が他の会員の皆さんなどから世間的な非難を受けるリスクもないと思います。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月14日・21日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

千原弁護士の法律Q&A 連載記事
List

Page Topへ