【千原弁護士の法律Q&A】▼326▲ オンライン販売の制限は問題になるのか?

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〈質問〉

 ネットワークビジネス(NB)会社ですが、会員が商品の小売りをして利益を上げられるようにしています。ただ、ウェブでの販売については、「会員は、オンラインによる販売(あるいはそれを前提とした販売)はできない」旨の規約を設けています。これに違反する会員がおり、メルカリ等で商品が販売されている状況です。こうした動きに対して、当社としては法的手段も辞さない予定です。しかし、千原先生の本では、独占禁止法違反になる可能性が指摘されていました。実際にオンラインでの販売を制限することは問題なのでしょうか。例えば、仮に会社も一切オンライン販売を行わないという形であれば、どうなのでしょうか。(NB主宰会社社長)

〈回答〉 合理的理由を説明できなければ違法

 近時の独禁法関連の議論を踏まえていうと、ご質問のようなオンライン販売の禁止の規約は、次の二つの要件を満たした場合に適法と考えられています。(1)消費者の利益の観点(対象商品の品質の保持とか、適正な使用の確保といった点)から、オンライン販売を禁止する合理的な理由がある(2)禁止措置が、全ての流通業者(NBの場合は全ての会員)に適用されている─の2点です。

(続きは、「日本流通産業新聞」」1月28日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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