【千原弁護士の法律Q&A】▼375▲ 「モノなしマルチ」広がり対応に苦慮(2023年2月2日号)

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<Q>

 化粧品を扱う連鎖販売企業を経営しています。ここ数年、会員間で、他社が行う「モノなしマルチ」と呼ばれるような、怪しげな仮想通貨や投資商品などのビジネスが広がることが多く、対応に苦慮しています。そもそも、モノなしマルチは、それ自体、法律違反ではないのでしょうか。会社としても適切な知識を身につけた上で、会員に注意喚起したいと考えています。
        (ネットワークビジネス会社社長)

<A> リスクを会員に周知し注意喚起を

 「モノなしマルチ」に悩まされているのは、貴社だけではありません。社会的にも被害が問題になっており、先日も日経新聞の社会面に大きく取り上げられていました。
 貴社が関与していなかったとしても、会員間で問題商法が広がれば、事実上、大きな問題になるリスクもあります。注意喚起を検討されるのは良いことだと思います。
 まず、連鎖販売事業において、物品(モノ)以外の、権利やサービスを対象とすること自体は適法です。
 実際に、情報や映像サービス、旅行サービスなどの「役務」、あるいは会員権などの「権利」を販売する、「モノなし」の連鎖販売企業も存在しています。
 ただ、一般的に「モノなし」の場合、貴社の化粧品のような物品を対象とするネットワークビジネス(NB)と比較して、消費者被害性が高いことは間違いないと思います。化粧品1箱10万円などとすれば、誰でも高いと思うでしょうが、「1ポジション10万円×10口購入」のような形だと、消費者側も受け入れてしまう状況があるのです。投資的な感覚で多額の費用をつぎ込み、そして、最終的に事業会社も破綻し、被害が救済されないというケースは多いのです。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月2日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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