【千原弁護士の法律Q&A】▼404▲ 一般的な民事訴訟のスケジュール、流れとは?(2024年4月18日号)

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<質問>



 当社は、取引先企業A社に対して、債務不履行を理由として、約1億円の損害賠償請求訴訟を提起します。ただ、これまで民事訴訟に関わったことがありません。一般的なスケジュール、流れなどを教えていただければと思います。(メーカー社長)

<回答> 準備書面の提出や証人尋問など時間かかり負担大きく



 分かりやすいよう、以下、貴社の民事訴訟について、架空の日時、事例を示しながらご説明したいと思います。

   ◇   ◇

 まず、貴社の弁護士が、貴社と打ち合わせの上、2024年5月20日に裁判所に訴状を提出します。
 裁判所が、形式的な審査をした上で、問題がなければ、貴社の弁護士に対して、第1回期日の候補日の打診が来ます。
 訴状提出から、だいたい2カ月前後の日付が、第1回期日になりますが、今回は6月20日が指定されました。裁判所から被告A社に対して、訴状や呼出状が送付されます。
 6月20日ですが、第1回期日に限り、被告は「擬制陳述(ぎせいちんじゅつ)」と呼ばれる制度によって、裁判に出席することなく、事前に答弁書を出せば欠席が認められます。
 また、被告側の答弁書は、単に「争う」旨だけ書いて、実質的な主張は2回目の期日に行う形が多く、それで特に不利益もありません。
 今回のケースでも、

(続きは、「日本流通産業新聞 4月18日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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