【千原弁護士の法律Q&A】▼302▲ ベテラン会員への対応にアドバイスを。

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〈質問〉

 当社はネットワークビジネス(NB)を長い間展開しています。会員の高齢化も進んでおり、残念ながら、古参会員の中には、認知症が疑われるような人も増えてきました。当社としては、そういった方々との契約が、特商法が禁止する「判断力不足に乗じた取引」と判断され、業務停止命令の対象にならないか、心配しております。当社としては、自主的な退会をお願いする方針で対応していますが、なかなか納得していただけません。その場合、本人の承諾を得ることなく、退会をしていただくことは可能でしょうか。また、逆に本人から不当に退会をされたとして、消費生活センターにクレームが行き、大きな問題になることはないでしょうか。(NB主宰会社社長)

〈回答〉 80歳定年制など会則整備も必要

 貴社のように創業から長い多くのNB会社は、ベテラン会員の処遇について、いろいろと悩まれているようです。コンプライアンスの観点などから、「いつまでも取引をするのは?」という心配をされることもあるでしょう。ただ、功労者であるだけに、あまりむげな扱いをすると、経営に影響する可能性がありますよね。

 まず法的な側面から、(イ)「取引を継続する場合」のリスクについて、検討したいと思います。貴社がご心配のように、特商法では「判断力不足者との契約」を禁止しています。ただ、こちらの直接の規制対象は、新たな入会契約と考えられ、会員として継続して商品購入する場合は、過量販売などに該当しない限り、まずは問題にならないと思います。
 特に、報酬を得ており、商品購入との収支が合っているケースについては、被害がなく、問題にならないと思います。
 ただし、高齢者自身が、法律を守る重要性を理解せず、特商法違反の勧誘を行うリスクは残りますよね。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月13日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、130を超える企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、また、数多くの大規模企業再生・倒産事件を手掛けてきた。業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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