【千原弁護士の法律Q&A】▼365▲ 法定書面の電子交付制度への準備とは(2022年9月1日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

【質問】

 2023年6月からスタートする、法定書面の電子交付制度についてですが、現段階でどのような準備をしたら良いでしょうか。ひょっとすると、何も準備をしていないのは当社だけでしょうか。できるだけ具体的に、先生のご意見をお聞かせください。(特定商取引法適用会社社長)

【回答】 特に準備はせず、23年6月以降も様子見で

 顧問会社からも、同じような質問を受けています。結論から言うと、特に準備はせず、2023年6月以降も様子見で良いと思います。「法令の内容と予算との関係で利用価値がありそうであれば、電子交付制度も導入する」程度の考え方で良いのではないでしょうか。

 報道されているとおり、消費者庁において、継続的に、法定事項の電磁的記録による提供(以下「電子化」又は「電子交付」と言います。)の検討会が開催されています。7月28日の会合においては、「これまでの議論の整理」という形で、概ねの方向性が示されました。

 私が読む限りのポイントですが(1)消費者の承諾については、消費者の署名など、会社にエビデンスが残る形での取得が必要(2)消費者の承諾の事実については、改めて会社から消費者に対して、書面で交付する等をして通知を行うのが基本のような方向性が見られる(3)法定書面の交付は、「引き続き書面による交付を原則」とすることが強調されており、電子交付に一本化することはできず、事業者としては法定書面の印刷も継続せざるを得ないことは明らか─といったところだと思います。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月1日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

千原弁護士の法律Q&A 連載記事
List

Page Topへ