【千原弁護士の法律Q&A】▼374▲ メール誤送信によるお客様への対応は?(2022年1月26日号)

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<Q>

 会員制で通信販売を行っています。当社のミスで、新規登録された会員さま宛のメール(お客さまの氏名が記載された会員登録の完了、商品の出荷をお知らせする内容)が異なるアドレスに送られていることが分かりました。メールが届かないクレームを受け、いろいろと調べる中で判明しました。お客さまは、「個人情報の漏えいであり、どんな賠償をしてくれるのか」「弁護士や個人情報保護委員会に相談する」と言って憤慨しておられます。会社としては今回の誤送信の原因を究明し、必要な再発防止対策を講じ、お客さまには謝罪することを考えていますが、法的に必要な対応を教えてください。また、本件のような場合にはお客さまに賠償をしなければならないのでしょうか。(通信販売会社社長)

<A> 本人への連絡と謝罪、再発防止の検討を

 まず個人データの漏えい事故について、法的に個人情報保護委員会への届出が必要なケースとは、(1)要配慮個人情報が含まれる(2)(大きな)財産的被害が生じる恐れがある(3)不正の目的による漏えい(4)1000人を超える漏えい─の場合が対象となります。

 本件のようにメールの誤送信が1件で、漏えいした内容が上記程度(氏名、メールアドレス)の情報である場合は、個人情報保護委員会への届け出は不要です。
 その上で、個人データ漏えい時の本人への対応については、国の告示では「影響を受ける可能性のある本人への連絡等漏えい等事案の内容等に応じて、二次被害の防止、類似事案の発生防止等の観点から、事実関係等について、速やかに本人へ連絡し、又は本人が容易に知り得る状態に置く」とされています。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月26日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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