【千原弁護士の法律Q&A】▼338▲ 退職勧奨を行う際の注意点を教えてほしい。

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〈質問〉

 内装のリフォーム企業を運営しています。昨年採用した、営業職の従業員を解雇できるか、ということについて質問させていただきます。この従業員ですが、勤務態度が悪く、注意をしても反抗的な態度を取ります。遅刻も多く、営業成績も並以下です。解雇できるでしょうか。解雇ができない場合は退職勧奨をしようと思いますが、その場合の理由付けはどうすればよいでしょうか。また、誰から、何人で話すのが良いでしょうか。退職勧奨を行う際の注意点を教えてください。(内装リフォーム会社社長)
[本文]
〈回答〉 退職勧奨は「強制」でなければ自由

 まず「解雇ができるか」という点ですが、上記程度ですと、法的には無理だと思います。ここでは詳述を避けますが、まとまった金額の横領など、インパクトのある問題でないと一発解雇はできません。したがって、解雇を考えるのであれば、個別の指導や戒告などの就業規則に従った懲戒処分を続けて実績を作り、最終的に解雇を検討するしかありません。
 そんな悠長なことは考えられないでしょうから、貴社においては、退職勧奨を検討されることになると思います。

 退職勧奨は「強制にならない」範囲であれば、行うことは全く自由です。「理由付け」も、本人の人格を傷つけないことに注意の上で、「どの理由を言えば一番納得してもらえるか?」という点から考えることになります。

 一般的には、上記の本人の問題点を挙げ、会社が退職を希望していることを率直に伝えることになると思います。会社の業績が良くないなどの状況があれば、それを理由にしても良いと思います。ケースバイケースです。
 「誰が話すのが良いか」も同様で、最も本人が納得して応じるであろう人がベストです。例えば社長の「鶴の一声」で納得するのであれば、社長でも良いと思います。
 「何人で話すか」についても特にルールはありません。1対1ですと、「言った、言わない」の問題になりやすく、1対3ですと、「威圧された」等の話になるリスクがあります。1対2程度が、バランスが良さそうです。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月15日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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