【千原弁護士の法律Q&A】▼335▲ 成人年齢引き下げに伴い登録条件の変更は可能か?(2021年6月3日号)

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〈質問〉

 化粧品のネットワークビジネス(NB)を展開しております。民法改正によって、2022年4月1日より、成人年齢が18歳に引き下げになる件について、質問させていただきたいと思います。現在の登録条件は「20歳以上の成人に限る」「20歳以上でも学生は登録不可」としています。この条件を、2022年4月1日から「18歳以上の成人に限る」と変更することは可能でしょうか。成人年齢が18歳に引き下げられたため、特定商取引法上の違反はないと思いますが、いかがでしょうか。 また、18歳、19歳に対して、訪問販売や電話勧誘販売を行う場合は、どうでしょうか。(化粧品NB会社社長)

〈回答〉 法律が変わっても若年者との取引は注意が必要

 まず大前提として、民法に規定がありますから、未成年者は、親権者などの法定代理人の同意がない取引について、取り消しを行うことができます(金額が低い取引などの例外はあります)。つまり、22年4月に、成人年齢を引き下げる改正民法が施行されると、「18歳を超えた者」の取引については、民法に基づく未成年者取消権を行使できなくなります。

 一方、特商法にはもともと、未成年者のNB登録や、未成年者との取引自体を禁止する直接的な規制はありません(民法の規定の適用はありますので、法定代理人の同意がない有料のNB登録や商品購入は取り消され得る取引です)。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月3日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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