【千原弁護士の法律Q&A】▼377▲ 特定商取引法「適合性の原則」とは?(2023年3月9日号)

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<質問>

 ネットワークビジネス(NB)企業の法務担当を務めています。このところ、特定商取引法の「適合性の原則」という言葉をよく聞きます。こちらを、事例を挙げて、分かりやすく説明をしていただけないでしょうか。              (NB企業法務担当者)

<回答>消費者個々の状況に応じた対応を


 適合性の原則(以下「本原則」とします)は、お客さまの「知識、経験、財産の状況に照らして不適当な勧誘をしてはならない」というものです。もともと、金融商品の取引における規制から始まり、その後、特商法の禁止規定にも盛り込まれました。
 まず(1)「知識不足」から考えていきましょう。解説書では、知識不足の者の例として、未成年者や学生が挙げられています。
 現在、民法の改正によって未成年は18歳未満となりましたが、18歳、19歳の「若年成人」の知識が向上したという訳ではありませんので、20歳未満は、これまでの未成年者と同じ評価を受けると考えるべきでしょう。
 また、学生だけでなく、大学就学年齢である20~22歳も、同様の評価を受ける可能性があります。
 よく「社会人を辞めて学生になった人との契約は問題ないか?」という質問を受けますが、社会人としての経験年数や年齢などから、NBの内容を理解してスタートできる状況であれば「知識不足」とは言えないと思います。
 (2)続いて「経験」です。
 解説書では、経験不足の例として、「販売経験が乏しい者」「公務員や会社員等、兼業が制限される者」を挙げています。

(続きは、「日本流通産業新聞」3月9日号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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