【千原弁護士の法律Q&A】240 ウェルカムコール実施を検討しているが。

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”「問題勧誘」のあぶり出しがメインの目的”

(質問)
 当社は電話勧誘などで、健康食品を販売しています。今回、PIO―NET(パイオネット)の調査をかけたところ、昨年から今年にかけて、消費生活センターへの相談件数が増えており、当社にとって不安な状況であることが分かりました。いろいろと対策を検討していますが、その中で、ウェルカムコールを実施することも考えています。ウェルカムコールについては、先生がセミナーで話されているのを聞いて関心を持ちました。そこで質問ですが、ウェルカムコールでは、どのような目的で、何を聞いたら良いか、詳しく教えてもらえますか。特に、当社では高齢者のお客さまが多いので、この点が気に掛かります。    (健康食品電話勧誘販売会社社長)

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(回答)
 まず貴社は、全国の消費生活センターに入ったクレーム件数を調べる、「PIO―NET調査」を行われたということですが、これはとてもよいことだと思います。特定商取引法適用企業のコンプライアンスの「初歩の初歩」として、必ず定期的に実施すること、そして、問題があれば貴社のように速やかに対策を考えることは、とても大事なことだと思います。
 特に電話勧誘販売の場合、消費者は全国にいますので、特定地域の消費生活センター訪問ではカバーできず、この調査をしないと、クレーム実態の把握のしようがないと思います。
 さて、ご質問のウェルカムコールですが、契約していただいたお客さまに対し、販売担当者とは別の部署から、販売に問題がなかったかを電話確認する手続きのことをそう呼んでいます。
 コンプライアンス意識の高い、訪問販売会社やネットワークビジネス会社などでは、既に相当以前から取り入れている制度だと思います。ウェルカムコールを実施するのには、以下のような目的と確認事項があると思います。
 メインの目的は行政処分の対象になる問題勧誘の「あぶり出し」です。そして問題勧誘があれば、そのお客さまとは取引を止めて、消費生活センターに行く問題にならないようにすることが肝心です。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月13日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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