【千原弁護士の法律Q&A】▼447▲ 法改正で補助金申請代行は違法に?(2026年2月5日号)

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【質問】

 訪問販売会社ですが、太陽光発電や浄化槽などの補助金申請に関する件で相談です。当社では、お客さまに代わり、営業担当者が補助金の申請を代行(書類作成と提出を代行)するケースがありますが、2026年1月から施行された行政書士法の改正により、違法になる可能性があるという指摘を受けました。(1)当社は、代行について、お客さまから金銭をいただくことはありませんが、念のため、問題ないか確認させてください(2)また、問題がある場合、社員に行政書士資格を取らせるなど社内に行政書士を置けば良いでしょうか─。以上ご回答ください。(訪問販売会社社長)

【回答】規制対象となるため代行業務は止めるべき

 他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)その他権利義務または事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む)を作成することは、行政書士の独占業務とされています(行政書士法1条の3第1項)。補助金申請の書類作成は、こちらの独占業務に典型的に該当します。
 そして、行政書士や行政書士法人(以下「行政書士等」とします)以外は、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として上記の独占業務を行うことが認められません(同法19条1項本文)。これに違反した場合は、その違反行為者と所属する法人のいずれもが処罰(両罰規定)されます(同法21条の2、23条の3)。
 一方で、ご指摘の改正法により、業務の制限規定(同法19条1項)に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が加わり、また、両罰規定が整備されました(同法23条の3。2026年1月1日施行)。
 これは、特にコロナ禍等において、行政書士等でない者が給付金等の代理申請を行い、多額の報酬を受け取っていた事例が散見され、「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等のどのような名目であっても、対価を受領して上記の独占業務を行うことが、法違反であることが明確化されたものです。
 また、改正法により、違反行為者が罰せられる他、所属する法人に対しても100万円以下の罰金刑が科せられます。
 以上を前提に、ご質問に御回答します。

(続きは、「日本流通産業新聞 2月5日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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