【千原弁護士の法律Q&A】▼444▲ 他社に取引先リストを使用されている(2025年12月11日・18日合併号)

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【質問】

 当社はA社と共同事業を行う予定で、当社の主要取引会社や取引内容などのリストを渡しました。その後、協業の話は流れましたが、なんとA社がそのリストを使って、取引先に営業をかけていることが分かりました。クレームを入れましたが、素知らぬ顔です。当社の顧問弁護士に相談したところ、秘密保持契約書の締結について聞かれ、締結していないことを話すと、結論として「打つ手がない」とのことでした。こんな不合理なことはあるでしょうか。また、そのような事が許されるのであれば、当社において、A社から受け取った、A社の個人客のリストを使って、個人に営業をかけようと思いますが、いかがでしょうか。(通販会社社長)

【回答】NDA締結なければ「打つ手なし」

 「世間の常識」と「法律の実際」が異なることは多くありますが、今回のご質問のケースはその典型的なケースです。
 取引先に開示した会社の秘密は、NDA(秘密保持契約)を締結するなどして、第三者への非開示、目的外使用の禁止の約束をしないと(つまり貴社のようにNDAの締結なく情報開示をしてしまうと)相手方は、法的には、自由に使用し、また第三者に開示することが許されてしまいます。
 このことについて、貴社から法的に止めさせたり、損害賠償請求を求めたりすることはできません。

(続きは、「日本流通産業新聞 12月11日・18日合併号で)

〈プロフィール〉
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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