【千原弁護士の法律Q&A】▼449▲ NB会社と会員の関係は取適法の規制対象に?(2026年3月5日号)

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【質問】



 ネットワークビジネス(NB)会社を経営しています。2026年1月から施行の取適法(中小受託取引適正化法)についての質問です。会員に支払う報酬から、振込手数料として数百円を差し引くのは、取適法違反でしょうか。ご存じのとおり、NB会社と会員との関係は、「会員が会社から商品を購入する」「会員が他の会員を募集する」という、二つの側面があり、後者が「取適法の規制対象となる『役務提供委託』に該当するのでは?」という指摘を受けています。(NB会社社長)

【回答】「役務提供委託」には該当しない



 取適法は従来、下請法と呼ばれていたもので、改正され、名称が変更されました。取適法が適用される場合、ご指摘のとおり、会員に対する振込手数料は、親事業者(NB会社)が負担する必要があります(この規制は今回の法改正で初めての導入です)。
 しかし、結論から言うと、NB会社と会員の関係について、基本的には取適法の規制はかからないと考えられます。
 まず、取適法は、あらゆる取引関係に適用されるわけではなく、「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」「特定運送委託」のいずれかの取引に限って適用されます。
 つまり、その適用範囲は、下請会社が搾取されやすいような取引形態に限定されています。
 NB会社と会員との間の商品取引は、通常は上記のような製造委託や修理委託等ではなく、単なる「売買」等だと思います。

(続きは、「日本流通産業新聞」 3月5日号で)

<プロフィール>
 1961年東京生まれ。85年司法試験合格。86年早稲田大学法学部卒業。88年に弁護士登録して、さくら共同法律事務所に入所し、94年より経営弁護士。第二東京弁護士会所属。現在、約170社(うちネットワークビジネス企業約90社)の企業・団体の顧問弁護士を務める。会社法などの一般的な法分野に加え、特定商取引法・割賦販売法・景品等表示法・知的財産法を専門分野とし、業界団体である全国直販流通協会の顧問を務める。著書に「Q&A連鎖販売取引の法律実務」(中央経済社)などがある。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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