【EC業界は”大動画時代”へ】 商品画像やLPにも動画/「画像が動き出す」は当たり前に(2024年4月25日・5月2日合併号)

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体験者のリアクションを収めたガードナーの動画広告

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 ECサイトにおける動画活用が”当たり前”になりつつある。商品画像の一部に動画を埋め込み、ユーザーがページを開くと画像が”勝手に動き出す”UI(ユーザーインターフェイス)がアパレルECなどを中心に普及してきた。ランディングページ(LP)に動画を多用するEC企業も登場している。EC業界の動画活用の最新事情や活用のための体制構築の事例を紹介する。

■ショート動画が後押し

 ユニクロのECサイトをのぞくと、多くの商品画像の中で、一部が動画となっていることに気付くだろう。ユニクロは21年4月、「UNIQLO CITY TOKYO(有明本部)」に、日本最大級の撮影スタジオを開設し、商品ページにおける動画活用を推進してきた。
 当時は「商品画像を動画化できるのはユニクロだから」という声も聞こえていたが、時を超え、今ではアパレルの大手企業のみならず、中堅企業でも商品画像に動画を埋め込むスタイルが増えている。


■ツールで手軽に実現

 商品画像の動画化の背景には、SNSや動画プラットフォームにおけるショート動画の普及がある。SNSや動画プラットフォームで、スクロールするたびに動画が自動再生されるUIが、ユーザーにとって”当たり前”になっている。
 ECサイトにおいても、商品ページを覗くたびに画像が動き出し、ブランド側が商品の魅力を能動的に伝える見せ方が、ユーザーにとっても自然な形になっているのだ。アパレル業界では、こうした動画で商品の魅力を伝えるブランドが増えてきたことで、逆に商品ページに静止画しかないサイトを”古臭い”と感じるユーザーは増えている。
 商品画像の動画化の背景には、ツールの進化もある。
 visumo(ビジュモ、本社東京都、井上純社長)が提供するビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo」は今年4月、導入社数が800社を突破したと発表した。導入社数の拡大に貢献しているのが、動画データをオウンドメディアで活用できる機能「visumo video」だ。
 「最近、特に『visumo video』を活用して、商品ページの商品画像一覧でショート動画を配信したいという引き合いが増えている。『visumo』の機能は基本的にサイトにタグを埋め込むだけで実装できる。商品画像一覧での動画配信は、導入しているシステムと連携する必要はあるが、難しい開発は必要ない。動画のデータは『visumo』上で管理するため、ページが重くなることなく、動画を差し込むことができる」(井上社長)と話す。
 商品画像に動画を埋め込むツールは、「visumo」以外にもあり、手軽に”動画化”を実現できる環境が整ってきている。


■常識に捉われない活用法

 特定の商品のみを販売するランディングページ(LP)に自動再生する動画を埋め込むEC事業者も増えている。

(続きは、「日本流通産業新聞」4月25日・5月2日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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