【ヒットの予感】大手百貨店が販売強化〈「美術品」〉/高島屋は専用コーナー開設し販売促進

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高島屋ECサイト内の美術品販売コーナー

大手百貨店が美術品のネット販売を強化している。株高により投資目的で美術品を購入する富裕層が増えていることが背景にある。大手百貨店は手軽に買える仕組みを提供することにより、美術品の売り上げを伸ばしたい考えだ。
 高島屋は6月3日、ECサイト内に美術品の販売コーナーを新設した。絵画や陶芸、版画、彫刻などを常時60~70点そろえている。中心価格帯は5万~10万円だが、安いもので数千円、高いもので数十万円の作品も販売する。まずは年間100点の販売を見込む。
 高島屋クロスメディア事業部の高橋豊事業部長は、「美術品はオムニチャネルの重点商材の一つだ。ネットだけで売れるか分からないが、店舗などと連携し、ネットとリアルで美術品の販売を促進したい」と話す。
 ECサイトでは、店舗にある美術画廊の展覧会と連動した販売企画も開催している。美術画廊の来場者にもECサイトで販売していることを周知し、利用を促している。
 新規顧客の獲得にも注力している。ECサイトでは、「ギャラリーZ」というコーナーを設け、現代美術など先鋭的な作品の取り扱いを強化している。高島屋の美術担当者が選んだ現代芸術家を紹介するコンテンツなども配信している。今後は、ネット独自の企画展も開催する予定だ。
 ECサイトでは美術作品の制作過程を動画で紹介したりもしている。美術担当者のお薦め作品を紹介するなどして、美術に詳しくないユーザーにも買いやすいようにしている。
 三越伊勢丹はこれまで会員限定だった美術品のネットオークションを、会員以外も利用できるようにした。オークションサイト「ヤフオク!」上で販売している。
 オークションでは、日本や欧州の高級食器などを出品している。三越日本橋本店の美術営業部が商品調達を行う。数万~30万円程度の商品を常時40~50点出品していくという。
 大丸松坂屋百貨店も美術品のオークションサイトを運営している。店舗で開催した展覧会と連動して作品を販売しており、来場者が購入するケースも多いという。
 まだ美術品をネットで購入するという商慣習は根付いていない。ただ、大手百貨店が本格的に美術品のネット販売を行うことにより、今後、富裕層を中心に普及する可能性もあるだろう。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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