【ヒットの予感】 和紙糸のタオル <「花結う草に」> ”ふわふわ”ではなく機能性重視(2025年6月5日号)

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強くこすらなくても良く水分を拭き取る

強くこすらなくても良く水分を拭き取る

 化粧品や自然食品のECブランドを展開するchitree organic(チーツリーオーガニック、本社神奈川県、坂東寛代表)は25年3月から、和紙を使った新感覚のタオル「花結う草に(はなゆうくさに)」を販売している。「良いタオルはふわふわしている」という常識を覆す、吸放湿性に優れたタオルとなっている。
 タオルの土台にはコットンを使用し、肌に触れるパイル生地部分にはオーガニックコットンと和紙を50%ずつ配合した、オリジナルの撚糸(ねんし)を使用している。
 「まずマニラ麻という植物から和紙を作り、紙の常態から細くスリットして和紙糸を作る。和紙糸をオーガニックコットンと撚ってオリジナルの撚糸を作っている」(坂東代表)と素材へのこだわりを話す。
 和紙糸の空洞構造による吸放湿性と、オーガニックコットンの肌当たりや吸水性の両方の良さを生かしたタオルだとしている。商品名「花結う草に」は、花(コットン)と草(和紙)を結びつけることで、自然素材の優しさと機能性を最大限に生かすという意味を込めたという。
 店主・おちづ氏の「タオルはふわふわじゃなくていい。身体や髪の水分をよく拭き取って、すぐ乾くものがいい」という思いから開発し、試作を重ねて販売に至ったという。
 実際に、一般的なタオルよりごわつきを感じるが、繊維にコーティングや蛍光増白剤を使用しておらず、和紙本来の特性が出ているのだという。擦らず、肌や髪に当てるように使っても十分に水分を拭き取れるとしている。
 和紙糸は吸放湿性だけでなく、分散乾性や吸着性、抗菌性、消臭性にも優れており、部屋干しの生乾き臭や細菌に悩むことなく、清潔に使用できるとしている。
 サイズは45センチ×96・5センチ。一般的なバスタオルより小さく、フェイスタオルよりは大きく設計している。バスタオルは洗濯や収納の際にかさばったり必要以上に大きく感じたりするが、一方でフェイスタオルでは全身を拭き切るのは難しいとして、ちょうど中間の理想のサイズにこだわっている。
 現在の販売数は約100枚。サイズや乾きやすさについて「こんなタオルを待っていた」という声が寄せられている。
 販売価格は8690円(税込)。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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