【人】<ROQUE 大石修平社長>/閉じたピアス穴は覚悟の証(2023年2月16日号)

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 ROQUE(ロキ、本社兵庫県)では、楽天市場などで軟骨ピアスやへそピアスといったボディーピアスを販売している。今年の楽天SOYでは、3年連続のジャンル賞受賞となった。ボディーピアスを販売する企業の社長となると、「ピアスをたくさんつけていそう」「怖そうな人かもしれない」と想像する人もいる。だが実際の大石社長は、髪は黒、ピアス穴も開いていない。明るくて面白い関西の社長だ。
 「私が学生のときは、ピアス穴の拡張がはやっていた。穴を開ける人も多かったし、拡張した穴の大きさを競い合ったりもしていた」(大石社長)と話す。大石社長自身も20歳までは、ピアスを付け、髪も金色だったという。
 転機は、20歳のときだった。「ある日ふと鏡を見たら、このままでは駄目だな、と感じた」(同)と話す。その日から髪を黒にし、大好きなピアスをする機会も減っていった」(同)と話す。「当時は、キャバクラのボーイをやっていたが、いずれ店舗を持ちたいという思いもあった。そのためにもまずは見た目から変えていこうと思った」(同)とも話す。
 「それから5年後、無事、実店舗をオープンすることができた。ボディーピアスは昔大好きだったこともあり、商品の一つとして販売していた」(同)と言う。ボディーピアスの商品ラインアップを増やしたところ、売れ行きは右肩上がりになったという。
 「最初は店舗の1コーナーという形だったが、日に日に売り場が拡大していき、最終的には専門店になっていた」(同)と話す。専門店になってから、ネットでの販売も開始し、今につながっているようだ。
 「『ボディーピアス』というと、怖いと感じてしまう人も多いと思う。だからこそサイトやサービスの面では、『安心して使ってもらえる』ことが伝わるよう心掛けている」(同)と話す。「初めてのピアスは怖いものだ。だからこそ当社が安心を届け、ピアスを楽しむ人が増えてくれればと思う」(同)とも話す。
 大石社長のピアスの穴はもう閉じてしまった。だが「ピアスを楽しんでほしい」「ピアスが好き」という思いは、誰よりも強いのかもしれない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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