【ヒットの秘密】 クッション型の多機能寝袋〈「SONAENO」〉/防災プロが監修2.3万個販売 (2022年2月10日号)

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普段はクッションとして使う

普段はクッションとして使う

 美容や健康をテーマにした通販向け商品のドリーム(本社愛知県、大橋秀男社長、(電)052―930―6162)は、21年1月に販売を開始したクッション型多機能寝袋「SONAENO」の販売個数が累計2万3000個に達し、ヒット商品に育っている。
 日常時と非常時の境界をなくす「フェーズフリー商品」をコンセプトとした防災寝袋だ。普段はクッションとして家や車の中で使い、被災時には寝袋になり、ブランケットや着替えスペースとして活用できる。
 防災アドバイザーの高荷智也氏が監修した。防災の観点からみて被災時に本当に役立つ機能を詰め込んだとしている。
 ふかふかの枕に付いた大きなフードが顔をすっぽり覆うので、明るい場所やほこりっぽい場所でも眠りやすい。寝袋の内側に付けたポケットには、スマホや長財布を収納でき、避難所での盗難対策に役立つ。
 足元のファスナーを開けて立てば、着替えスペースとして活用できる。プライバシーを確保したい時の目隠しとなる。
 また、ファスナーを全開にすれば、大きなシート、ブランケットになる。避難所の固くて冷たい床に敷いたり、ひざ掛けや身体に巻いたりして防寒対策ができる。本体は抗菌・防臭仕様で丸洗いできる。
 21年度のグッドデザイン賞を受賞し、「グッドデザイン・ベスト100」に選出された。「備え」と「暮らし」の壁をなくす商品として評価された。
 カタログ通販の誌面では、防災の専門家が細部までこだわって監修し、被災時に本当に役立つ機能を盛り込んでいる。テレビ通販の「ショップチャンネル」では、専門家が出演して分かりやすく解説。30分で完売した実績もあるという。
 ヒットの背景について、「寝袋の必要性は感じていても、収納場所に困るという課題があった。どの家庭でも普段はクッションとして使える。さらに一般的な45センチ四方サイズで市販のクッションカバーを着けられる点をアピールして、備えやすさにつなげている」(広報)と話している。
 価格は税込1万2800円。

被災時には寝袋になる

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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