カシオ計算機が製造している電子辞書「EX―word(エクスワード)」は96年の販売開始以来、累計3000万台以上を販売するロングセラー商品だ。中でも、英語などの学習分野を強化した「高校生モデル」は、副教材として多くの学生に使用され、進学祝いとしても利用される人気シリーズとなっている。
同社が1月22日に販売した「XD―SX4800」は、「エクスワード」の高校生向け最新機種。学習要領の改定やニーズの変化に対応し、毎年商品のラインアップを刷新して販売している。
「使用した学生や教育現場の声を聞いた上で収録内容や機能を検討し、毎年の新作に反映している」(事業戦略本部辞書・英会話BU営業企画室・上田奈美子氏)と説明する。
今年は英文法に関する資料の拡充や、ベネッセコーポレーションが実施する中高生向け英語技能検定「GTEC(ジーテック)」の過去問題集を搭載。英語学習に関する教材をより強化した。
従来の辞書機能とともに各教科の問題集なども搭載している。「休校措置が続き、通学しての学習が制限されている中、学生が自発的に行う家庭での学習もサポートできる」(同)と話す。
教育機関内の購買施設や家電量販店といった店舗販売に加え、近年はECやカタログ通販など無店舗での販売も伸びているという。
「売り上げが伸びる時期は入学前後の3~5月だが、店頭へお越しになるお客さまが減少していることや、学校内での販売会が実施できないこともあり、従来の方法では難しい部分が出てきている。この状況が続くならウェブでの販売を強化する施策を打ち出していく」(同)としている。
「XD―SX4800」はオープン価格だが、直販サイトでは4万5100円(税込)で販売。カラーはブラック、ホワイトなど5色を展開している。
【ヒットの秘密】 「高校生モデル」が人気〈「EX―word(エクスワード)」〉/3000万台超販売の電子辞書
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