【ヒットの秘密】 オーダースーツが人気〈「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」〉/ゾゾと異なる”接客”に差

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

高品質ながら価格は3万円から

 オンワードホールディングスの子会社であるオンワードパーソナルスタイル(本社東京都、関口猛社長)が提供する、オーダーメードスーツブランド「KASHIYAMA the Smart Tailor(カシヤマ・ザ・スマートテーラー)」が売れている。19年2月期には5万6000着を販売し、売上高は37億円に達した。
 最新技術を取り入れた工場での効率的な生産体制により、品質が高いオーダースーツが3万円からという価格設定を実現した。中国の向上で製造しているにもかかわらず、注文から1週間で商品が届く点も好評だ。
 ゾゾが提供するプライベートブランド(PB=自主企画)商品「ZOZO(ゾゾ)」のビジネススーツも3万3900円と安価に設定している。発売初月こそ5億5000万円を売るヒット商品となったが、その後は伸び悩んだ。19年3月期の業績予想では、他のアイテムも含めたPB商品全体で売上高30億円を目指している。
 「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」と「ゾゾ」のオーダースーツの違いは、注文前に”接客”があるかどうかにある。
 ゾゾは採寸用のボディースーツでサイズを計測し、そのデータをもとにスーツを注文する仕組み。採寸の精度が甘かったり、ユーザーが自分の欲しいサイズを理解していなかったために出来上がった商品に不満の声が噴出した。
 「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」は、全国の主要都市にある店舗でスタッフが採寸したサイズに基づき、スーツを注文できる。最初にスタッフが接客し、顧客の要望やコンプレックスを聞き出し、その声をサイズに反映するため、満足度も高まりやすい。2回目以降はネットで注文できるため、利便性も高い。
 オンワードパーソナルスタイルは、ロボット技術などを駆使し、生産効率を高めるとともに、グループが持つ店舗やスタッフという資産を生かしてサービスを設計している。オーダースーツに慣れない新規顧客を開拓するには、初回の不安を減らす仕組みが必要だったようだ。
 「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」は、20年2月期に売上高を60億円まで拡大する計画だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

ヒットのひみつ 連載記事
List

Page Topへ