【ニュースの深層】□□123〈大阪市 「きもの松葉」に社名公表〉/国、府の行政処分の可否が焦点(2022年10月6日号)

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 高齢者を展示会に誘い、高額な着物や宝石、健康器具などを次々と販売し、過去3回行った違反の是正勧告に従わなかったとして、大阪市は9月1日、松葉(屋号・きもの松葉、本社大阪府、松葉将登社長)に対し、市消費者保護条例に基づき社名を公表した。市によると、是正勧告に従わずに社名公表に至ったケースは今回が初めて。同社は21年11月に割賦販売法違反容疑で代表取締役が逮捕されている。市では、消費者保護審査会へのあっせん・調停を付託することで解決を目指した経緯もある。市の発表を見る限り、特定商取引法違反が目立つ。大阪市では「やれることは全てやった」と話し、今後は、消費者庁や近畿経済産業局、大阪府などから業務停止命令や業務改善命令が出るかも焦点になりそうだ。

 市の発表によると、松葉は、大阪府や兵庫県、奈良県、和歌山県内の商店街やショッピングモールなどに店舗を構え、高齢者を主な対象とし、定期的に開催する展示会に集めて着物、帯、宝石、洋服、バッグ、健康器具、布団、眼鏡などを販売していた。
 この展示会で「高くて買えない」などと言って消費者が何度も断っているにもかかわらず、執拗で強引に契約の締結を勧誘したり、契約を結んだりしていた。また、認知症や認知機能が低下した高齢者や、年金収入やパート収入しかない消費者、生活保護を受けている消費者に対しても、高額な商品を購入させていたとしている。
 「きもの松葉」を巡っては、大阪市が消費者保護条例などを駆使してさまざま方法で違反行為を是正するように取り組んできた。1回目の是正勧告は21年6月22日付で、強引な勧誘や次々販売、適合性の原則違反など計8項目を「不当な取引行為」として認定。2回目の是正勧告は、21年9月30日付で、不当な取引行為として「取消しの申出の拒否・黙殺」、今年5月12日付で「債務の履行遅延」を認定し、計3度の是正勧告を実施している。


■高齢者への「過量販売」を認定

 21年6月には、認知症の高齢者に対して、8カ月の間に31回にわたり合計約3445万円の着物などを購入させたとして、20年9月30日付で大阪市消費者保護審議会に「認知機能が低下した高齢者に対する着物等の次々販売に係る紛争案件」のあっせん・調停を付託。21年2月24日付で、1500万円を返金させ、約220万円の残債を放棄させる合意書を締結して解決を図った。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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