【ニュースの深層】□□131<ステマ広告規制に向け動き急ピッチ> 通販・EC企業への悪影響に懸念の声も(2023年2月9日号)

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 ステルスマーケティング(ステマ広告)の規制に向けた動きが急ピッチで進んでいる。消費者庁では昨年12月末に、「ステルスマーケティングに関する検討会」の報告書を公表。今年1月25日には、ステマ広告の規制に向けた、景品表示法の告示案と運用基準案について、パブリックコメントの募集を開始した。今秋の制度開始を目指すという。こうした動きについて、業界内では、通販・EC企業の事業活動への悪影響を懸念する声が多く上がっている。

■今後の事業展開に影響

 指定告示では、「ステマ広告」として規制する対象について、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」と定めている。言い換えれば「広告と一目で分からない広告はステマ」ということだろう。自社が行った表示も、第三者に行わせた表示も対象となる。
 では、第三者に行わせる表示としては、どんなものがステマに当たると想定されているのだろうか。
 運用基準案では、ステマ広告として「事業者が第三者に対して行わせる表示」について、(1)SNS上に商品の表示をさせる場合(2)ECモールの出店者が、ブローカーや購入者に依頼してレビューを書かせる場合(3)ASPを通じてアフィリエイターに依頼して表示させる場合(4)口コミサイトなどで、他の事業者に依頼して競合商品に自社よりも低い評価をさせる場合─の4類型を示している。EC・通販事業者にとって、インフルエンサーマーケティングやアフィリエイト広告などは、非常に身近なプロモーションとなっている。規制が導入されれば、今後の事業展開に大きな影響が生じると予想される。
 (一社)日本経済団体連合会(経団連)の小畑良晴経済基盤本部長は、「ステルスマーケティングの規制は、EC通販を行う事業者にとって、すぐに影響が出る可能性がある」(同)と指摘している。
 事業者が第三者に明示的に依頼や指示をしていない場合でも、「第三者の表示内容を決定できる関係性があり、第三者の自主的な表示だと認められない」場合は、ステマ広告に該当するとしている。SNSに投稿した第三者に商品を無償で提供したり、「SNSに投稿すれば次の取引に結び付く」旨を言及したりすると、指定告示に該当する。そのため、名川・岡村法律事務所の中山明智弁護士は、「特にインフルエンサーに商品や役務を提供している事業者は、注意が必要だ」と指摘している。


■二極化の見通しも

 薬事法広告研究所の稲留万希子氏は、「事業者が表示内容の決定に関与している場合、少なくとも、消費者がひと目で『広告』だと分かるプロモーションについては、『広告』だと分かる表示を行うよう、強く意識しておく必要があると思う。例えば、『広告』『宣伝』『プロモーション』『PR』『A社から商品の提供を受けて投稿している』といったことを表示する対応だ」と言う。
 薬事コンサルタントを行うリーガルエックス(本社東京都)の関山翔太社長は、「ステマをやる事業者と、きっぱり辞める事業者とに二極化するだろう」と予測する。関山社長によると、曖昧な形で「PR」表記を行っていた一部の事業者からは、「今後は、PR 表記を必須にする」「今後そういった広告手法自体を止める」といった決断の声を耳にしているそうだ。「『広告であることを隠す行為』をしないことは当然で、悪質な事業者を除けば、大半の事業者が PR表記をする運用に当然なると考えている」(同)と話す。


■適切性を疑問視

 ただ、ステマ広告規制の導入の経緯について関山社長は、適切性を疑問視する意見を持っているようだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月9日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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