【ニュースの深層】□□140<神奈川県 団体と連携し悪質訪販を撃退> 参画団体を増やし、被害防止へ(2023年6月22日号)

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悪質事業者から消費者を守るプロジェクト「悪質な訪問販売 撲滅! かながわ宣言」の宣言式の様子

悪質事業者から消費者を守るプロジェクト「悪質な訪問販売 撲滅! かながわ宣言」の宣言式の様子

 神奈川県は5年前から、訪問販売企業などが加盟する事業者団体と組んで、悪質事業者から消費者を守るプロジェクト「悪質な訪問販売 撲滅! かながわ宣言」を展開している。18年3月から開始し、公益社団法人日本訪問販売協会(事務局東京都)をはじめ、新聞販売組合、生協、保険業界など計11団体が参画している。参画の条件などはなく、県では趣旨に賛同する団体をさらに増やし、高齢者を中心とした消費者被害の未然防止につなげたい考えだ。

 「悪質な訪問販売 撲滅! かながわ宣言」を開始した背景には、高齢者による消費生活相談件数の多さがある。県内の消費生活相談窓口で受け付けた「訪問販売」に関する苦情相談件数は毎年度、約6000件に上り、その半数近くが65歳以上の高齢者で占めている。県では、事業者によっては日中に在宅していることの多い高齢者を狙い訪問し、販売目的を隠したり、断っても強引に勧誘を続けたりして、不意打ちで不要な契約を結ばせる実態があると指摘する。
 県はこうした状況に対応するため、適正な勧誘に向けて自主的に取り組む8事業者団体と2018年3月にプロジェクトをスタートし、現在までに11団体が参画している。昨年は「神奈川県瓦屋根工業連合会」「神奈川県板金工業組合」「一般社団法人日本損害保険協会神奈川損保会」が新たに加わった。
 具体的な取り組みとしては、県が作成した悪質な訪問販売の注意喚起チラシやシールなどを参画している団体の加入事業者を通じて一般消費者に配布。昨年度は、県内の警察署や団体、社会福祉協議会など約80カ所に約5万部を配布した。団体に加入する事業者向けセミナーに講師を派遣し、令和4年度は3団体に実施した。
 また、参画団体と連携した一般消費者向けの広報も実施。例えば、神奈川県ケーブルテレビ協議会の協力を得て、悪質な訪問販売への注意喚起として2分程度のコマーシャルを作成し、同協議会の加入事業者で放送している。
 また、県、参画団体、消費者団体は、悪質な訪問販売の撲滅に向けた取り組みなどについて意見交換会を年1回のペースで開催しているという。
 県では取り組みの成果について「宣言に係るさまざまな取り組みを通じ、宣言団体の加入事業者自らが、適正な勧誘による訪問販売を行うという意識が高まった」(くらし安全防災局消費生活課指導グループ)と説明。その上で、「宣言団体を通じた啓発物品の配布により、一般消費者に対する悪質な訪問販売への注意喚起に寄与できた」(同)と話している。

「悪質な訪問販売 撲滅! かながわ宣言」のチラシ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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