【ニュースの深層】□□148 <東京都 相談傾向> コロナ後に高齢者相談が増加(2023年11月23日号)

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 東京都の消費生活センターに寄せられる相談において、60歳以上の高齢者からの相談が目立っている。22年度における高齢者の相談は前期比6.8%増の4万2447件で、高齢者の相談が全相談に占める割合は32.6%と前年より0.6ポイント上昇した。年代別では60代(1万5959件)の増加幅が最も大きく、前年比11.4%増となった。通販はファンデーションなど化粧品に関する定期購入、訪販は住宅設備関係の相談が増えており、事業者はより丁寧な販売や契約が求められる。

<通販> SNS、スマホの/定期購入トラブル

 コロナ禍でガラケーからスマホへ切り替えるシニア層が増えたことで、SNSに表示される広告をクリックしてトラブルにつながるケースが増えている。「想定以上に高齢者によるスマホからの通販の定期購入に関するトラブルが増えている」(高村淳子消費生活専門課長)と話す。
 SNSに表示された広告を見て、格安または無料だと思い、お試しのつもりで申し込んだら、実は複数回商品を購入しなければならない定期購入だったという相談だ。定期購入の相談件数は8324件で、前年比58.8%増で、高齢者だけで見ると前年比 86.7%と増加率が高い傾向にある。
 定期購入の内訳をみると、「化粧品」の購入に関する相談が倍増した。また、複数回購入しないと解約できないなど、販売方法に問題があると考えられる相談の割合が年々上昇しており、22年度は83.9%を占めている。
 コロナ禍の20年と21年度は、健康食品の定期購入の相談が顕著だった。若年層から中高年まで幅広い年代で相談が多かったが、22年度はコロナ禍の行動制限が徐々に解除されるなかで、シワを隠すことができるファンデーションなどメーキャップ系の化粧品関連の相談が増えたという。
 最終画面の定期購入の確認についても巧妙化していると指摘。最終画面で、よりお得になるという説明をすることで、定期購入につなげる手法が増えているという。当該事業者と解約についての交渉をするものの、消費者が自ら契約したという主張で難航するケースもあるようだ。


<訪販> 住宅設備関連が顕著

 コロナ禍で減少傾向にあった住宅設備関連の相談件数も増加に転じている。
 点検をきっかけとしたリフォーム・修繕工事に関する相談は920件と増加しており、特に「屋根工事」に関する相談件数は同22・5%増の783件だった。高齢者が当事者である相談は全体の72・8%を占めた。
 契約購入金額別では、100万円以上の割合が52.5%と最も多い。契約当事者の年代別では60代から80代が中心だ。増加率をみると、ほぼ全年齢で増加しているが、特に60代が前年比65・7%増と大幅に増加した。
 都では「自然災害が増えていることを契機に、相談件数が増える傾向にある。近隣の住宅に迷惑をかけたくないという心理が働きトラブルになるケースがある」(高村課長)と指摘する。訪販企業では、高齢者と契約する際は家族を同席させるなどのより踏み込んだ対策が必要だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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