【ニュースの深層】□□110〈特商法運用で消費者庁が新見解〉 「モールの連絡先表記」可で出品審査厳格化も

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 消費者庁は10月1日、特定商取引法の運用に関する新見解を公表した。新見解では、ECモールに出店・出品する事業者は、「特定商取引法に基づく表記」について、「出店するプラットフォームの住所や電話番号を記載する運用で問題ない」としている。要件を満たせば、事業者の住所や電話番号を記載する必要はない旨を示した。ECモールに詳しい、ある専門家は、「連絡先がECモールの表記でいいならば、ECモールの負担が増加し、結果的に出品者審査が厳格になる可能性がある」と話していた。

■「連絡が取れる」など二つの要件

  新見解は、消費者庁の運営する「特定商取引法ガイド」のホームページ内にある通信販売広告Q&Aの中の新項目で明らかにした。
 消費者庁が示した新見解では、「現に活動している」「確実に連絡が取れる」─の二つの要件を満たせば、プラットフォーム上で物品を販売する事業者は、「通信販売における個人事業主の住所、電話番号の表記」を記載しているとみなされるとしている。事業者の規模にかかわらず、要件を満たせば情報の記載は不要だとしている。消費者庁によると、個人事業主だけでなく、大規模な法人であっても、適用対象になるという。
 プラットフォームの種類についても、(1)アマゾンのような「出品型」(2)楽天市場のような「出店型」(3)メルカリのような「CtoC型」─のいずれについても対象になるとしている。
 消費者庁によると、「確実に連絡が取れる」の要件は、「プラットフォームが出品事業者に」、「消費者がプラットフォームに」、それぞれ連絡が取れることを前提としているという。
 消費者庁は今回の新見解について、デジタルプラットフォームの責任を重くするのが前提の運用方針だとしている。
 特商法では、販売上のトラブルが発生した際に、消費者が確実に販売者に連絡できるよう、販売者の氏名や住所などを記載するように規定している。そのため、商品を販売しようとする場合、個人であっても、氏名や住所、電話番号といった個人情報をサイト上で公開しなければならず、ECを行う上で、大きな心理的ハードルとなっていたという。
 消費者庁では、新見解によって、個人情報を公開しなければならないことによって生じる、ECへの心理的ハードルを下げることを狙っている。デジタルプラットフォームに出品者管理の責任を負わせる目的もあるとしている。

■メリット・デメリットの両面

 ECモールに詳しい専門家や支援事業者からは、特商法運用の新見解について、メリットとデメリットをそれぞれ指摘する声が聞かれた。

特商法の新見解を示した消費者庁

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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