【ニュースの深層】□□181 <経産省など 変わる再エネ領域>/省エネ販売の商機広がるか(2025年10月16日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 再生可能エネルギー業界の上流の動きが激しくなる中、10月1日から2段階調達をベースとする初期投資スキームを導入した新たなFIT制度がスタートした。27年4月からは新ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の適用も始まる。太陽光パネルのリサイクルに関する事案は平行線のままだが、動向には注目が集まる。関連する商材の流通が広がる可能性もある。

■10月から24円に

 10年間にわたり電気を固定価格で買い取る「FIT制度」は今年10月から、調達価格に2段階の投資回収フェーズを設ける「初期投資支援スキーム」に変更された。
 太陽光発電の設置が10キロワット未満の場合は、設置から4年目まで電気の買い取り価格を24円とする。9月までは15円のため9円引き上がる。5年目以降からは約3分の1の8・3円に下がる。これらの単価設定は26年度の同様となる予定だ。
 FIT制度の変更に伴う販売動向の変化について、住設訪販企業に聞くと、「特に変化がない」と回答した企業が目立った一方で、「消費者が前向きに導入を検討するようになった」など、営業の現場で変化が出ているとのコメントもあった。


■27年から新ZEH

 経産省・資源エネルギー庁は9月26日、新しいZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義を公表した。
 戸建住宅向けに従来から定義されいたZEHを新たに「GX ZEH」として定義して、27年4月から適用を始める。
 新しい定義では、設備要件に高度エネルギーマネジメントの導入を必須要件と、戸建住宅を対象に、定置用の蓄電池導入なども要件に入れた。


商流変化の兆し

 太陽光発電や蓄電池、給湯器などの再エネに貢献する省エネ商材の商流は年々変化している。
 東京都が施行した太陽光発電の設置義務化など、政府だけでなく自治体による再エネの普及に向けた動きも本格化している。
 戸建て住宅のほか、集合住宅や工場、オフィス向けのニーズも拡大し、個人と法人の双方で再エネの普及を高める動きは活発だ。
 この動きを捉えようと販売会社は法人向けの営業を強化しており、すでに実績を上げる企業も出てきた。商流が多様化しながら、再エネ市場がじわりと拡大している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

ニュースの深層 連載記事
List

Page Topへ