【ニュースの深層】□□93〈経産省 フィンテック参入容易に〉/後払い決済の与信でビッグデータ活用へ

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 経済産業省はこのほど、「フィンテック」企業の新規参入をしやすくする方向で、規制改革を行う方針を固めた。法改正を視野に入れている。5月29日に公表した、割賦販売法小委員会の中間整理では、後払い決済の際などに必要となる、少額の与信審査について、ビッグデータ活用やAI活用などを認める方向性を示している。後払い決済や「ツケ払い」などを提供するフィンテック企業の参入が増えることで、「消費者の消費行動が変わる可能性がある」と話す専門家もいる。

■事業者の与信負担を軽減

 5月29日に経済産業省がとりまとめた「テクノロジー社会における割賦販売法制のあり方」の中間整理では、法整備の方向性として(1)新たな少額決済サービスの出現(2)ビッグデータやAIの与信活用─の二つの柱が示されている。
 「新たな少額サービス」とは、テクノロジーの進化によって可能になった、高度なリスク管理手法を活用した、少額の決済サービスのこと。経済産業省は、少額の範囲を「極度額(契約上の利用上限額)10万円程度」だとしている。10万円を極度額とするような少額の後払い決済であれば、「現行の割賦販売法で規定している高額サービスを想定した重い規定を一律に課す必要はないのではないか」という考え方を示している。
 現行法では、リスクの大小に関わらず、包括信用購入あっせんについては「書面交付」や「年収・債務支払い状況の調査」といったことが義務付けられており、決済事業者にとっては重い負担となっている。
 現行のクレジットの与信については、包括支払い見込み額の算定について、契約者の「年収(+預貯金)―クレジット債務―生活維持費」で算定する規定がある。中間整理では、「現在では、デジタル技術の進展により、年収や預貯金の他に、支払・取引履歴、商品の購入データ、金融データ、詳細属性情報といった膨大な種類・量のデータを取得することができるようになり、AIなどに精緻に解析させた与信審査が可能となっている」と指摘している。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月13日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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