【EC注目株】第72回<テイツー>/店舗の買い取り力生かしネット通販は着実に拡大

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”前期黒字浮上も、現状では様子見が賢明”


 中古本やゲームソフトさらにはトレカの販売を手掛けるテイツー(7610、2月期)は、西日本主体の実店舗(名称:古本市場、今年9月末:118店)と、ECによる買い取り・販売を事業の両輪としている。正確を期すとネット通販参入は、上場翌年の2000年。自社サイトの展開と同時に、アマゾンや楽天市場など大手マーケットプレイスへの積極出店で認知度を高めた。
 自社サイトの冠に「古本市場」を付けたのは今年5月。経営企画部では「リアル店舗に対し頂戴しているお客さまの安心感を、ネット通販でも定着させたいと考えて実施した」と説明する。
 総売上高におけるネット通販比率は非公開。しかし会社四季報などは、「ネット通販の着実な増加」に言及している。こうした見方に対しては、「引き続き店舗の買い取り力を生かした安定した商品の調達を背景に、ネットの顧客拡充を図りつつ、ECの独自商品であるスマホケースなどの商材の強化を進めていく」(経営企画部)とする。
 いわゆるオムニチャネル戦略については、「ECと実店舗の融合は課題として認識している」としながらも、「それぞれに特有の強みがあると捉えており、双方の個性を強化していく」と、あくまで〝地に足のついた姿勢〟を示している。
 ビジネスの枠組みは(主力の中古品を)店舗・ECで買い取り、岡山県の物流拠点で余剰在庫を一括収集管理し再分配するというもの。通販顧客の注文に対しては24時間以内の発送が可能な(午前中の注文に対しては即日出荷)体制が敷かれている。しかし、同社に詳しいアナリストは、「紆余曲折がありながらも着々と歩いてきたが端境期を迎えている。遷移の機会に賭している」とする。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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