【EC注目株!】第110回〈資生堂〉 「ITインフラ整備に270億円」へ中長期戦略を展開/時価9000円台入り口も、ひと呼吸入れたい

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 資生堂(4911、12月期)の好調が続いている。
 3月5日に発表された2017年12月期も期初計画(10.5%増収、23.7%営業増益)を上回る、「18.2%の増収(1兆50億円強)、118%強の営業増益(804憶3700万円)、7.5円増配の27.5円配当」で着地した。そして今18年12月期についても「売上高1兆500億円、営業利益880億円」計画で立ち上がった。前期の総売上高に占めるECのシェアは、自社サイトと専門モールサイトを合わせて8%。
 そして同社は決算発表と同時に、20年までの中長期戦略「VISON2020」の後半:18年度〜20年度についてあらためて言及した。ポイントは以下に収斂される。
 「CAGR(年利複利成長率)5—7%」「営業利益1000億円超/それを実現するために売上高1兆円超の着実な実現」「ROE12%以上」。そしてそのために3年間で3000億円の投資を行う。注目に値するのは「ITインフラ整備に270億円を充てる」としている点だ。
 世界の主たるネット通販サイトとの連携を強め、「20年度のECの総売上高比率を、国別でみた場合、中国の40%を中心に全体で15%にまで引き上げる(約800億円)」ためである。
 ちなみに国内の比率は10%。魚谷雅彦社長はEC比率15%の実現について、「米国のVIOLET GUREY(ラグジュアリーブランドのECを手掛ける)に出資しているが、ECは勉強しなくてはならない。こうした企業から力を取り入れたい」といたって顕著な姿勢を示している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月21日号)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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