【EC注目株!】第25回〈キリン〉 自社サイト開設、会員2万人達し順調な立ち上がり/連続増配基調に着目、税引き後配当利回り2.1%強を享受<全文>

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千葉明氏

 キリンビールやキリンビバレッジなど、国内の総合飲料事業を統括するキリン株式会社は今年1月、自社のオンラインショップ「ドリンクス」を立ち上げた。
 デジタルマーケティング室の丹羽靖彦氏は、「半年間は試験期間、という認識でした。結果としてはかっこうの助走期間になりました」と振り返る。例えばこの間、御殿場工場産のウィスキーの原酒4種類(4本)を500セット限定販売した。”お好みでブレンドし楽しんでみて下さい”がコンセプトの商品。2週間足らずで完売した。
 本格的な離陸は、「スプリングーバレーブルワリー」ブランドでクラフト(地)ビール事業に進出を決めた7月。ユーザーの声を今後の商品開発に生かすことを意図とし、ネット通販限定での販売となった。
 その第1弾商品が同ブランドの「496」。着実に増えつつあったサイト会員中心に、330ミリリットル・6本入りの限定4000セットが予約開始から4日間で完売。8月末に売り出した「Willy(330ミリリットル・6本入り)」5000セットも3日間で完売。しばらくは同様のEC事業の展開が予定されている。
 だが実は自社サイト立ち上げ以降の一連の施策は、「酒類の今後を読み解くために不可欠な実験」だったといえる。
 丹羽氏は、「オンラインショップで5月に販売した一番搾りの購入者は40~50代。対してクラフトでは30代の方の注文が想定を上回る比率となりました。若年層の嗜好(しこう)の変化は漠然と感じていながら、それを掘り起こし喚起することができていなかったことを知らされたというのが正直なところです」と話し、こう続けた。
 「7月末の第2弾だけで、ご購入いただいた方から250件を超える感想が寄せられました。お客さまとの双方向通信・意見交換が可能なこと、コミュニケーションの動機付けを実感できたのです。店頭等の直販分野での一層の工夫と双方向通信による顧客ニーズの呼び起こしという、三位一体ならぬ二位一体が酒類市場を底上げしていく道といま確信しています」
 1―6月時点で2000人余だったサイトの会員数は目下、2万人に達しようかという勢い。
 キリンのECは順調な立ち上がりとなったといえる。
 さてそんなキリンを中軸としたキリンHDを株式投資の対象とする場合、どんな取り組み姿勢が肝要か。
 連続増配基調に着目をしたい。今期は前期比2円増配の38円配当計画。時価1400円場合余水準買いで(予想)税引き後配当利回り2・1%強を享受したい。


〈筆者プロフィール〉
千葉明(ちば・あきら)氏
 昭和24年(1949年)6月18日、群馬県前橋市生まれ。群馬県立前橋高等学校、明治大学政経学部卒業。1973年4月、日本短波放送(現日経ラジオ社)入社。1976年5月、経済評論家・亀岡大郎氏に師事。1982年6月、独立、(有)オフィスエーシー設立。そして自営のいまも、新聞・雑誌の原稿作成、書籍上梓、講演活動に従事。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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