【EC注目株!】第61回 「イーブックイニシアティブジャパン」/「アトム」でホップ、電子化の後押し受けスッテプ・ジャンプ

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 イーブックイニシアティブジャパン(3658、以下ebook)は、創業者で名誉顧問の鈴木雄介氏により2000年に設立された。
 小学館時代に電子辞書などデジタル部門を手掛けた鈴木氏は、「一般書籍が電子化される時代も遠くない」という思いが強かった。背景には「紙媒体は売れなければ返本され一巡してしまうが、電子書籍なら永劫に残りビジネスチャンスが続く」という慧眼があった。
 98年から1年余、衛星通信を介しナロードバンド環境で実証実験が行われた。鈴木氏に近い向きも大方が、「電子書籍の時代はまだ先」が支配的だった。
 しかし、ebookは実証実験に関わった有志を軸に見切り発車した。ただ、同社の今日の成長を窺わせる事態が01年に起こっている。「鉄腕アトム」などで知られる手塚治虫氏が興した手塚プロダクションから、400冊近い全巻の電子化の許諾を得たのである。
 この一事が今日(45数万点強の電子書籍を有する)のホップだが、ステップ・ジャンプとなったわけではない。「ネット環境の進化」「タブレットの発現・普及」「液晶技術の進化」といった時代の推移が強く後押し、それが第1号の「飛鳥新社」を皮切りに、現在約800の出版社・著作権者との間で「電子配信の許諾」を実現した。

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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