【EC注目株!】第48回〈リクルートHD〉 使い勝手の良いモール目指し出品アイテム数2500万商品に/IFIS目標平均株価4601円をじっくり待ち構えたい

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リクルートホールディングス(6098、以下リクルート)が傘下のリクルートライフスタイルを介してショッピングモールサイト「ポンパレモール」を立ち上げたのは、2013年3月。巷間では当時、「リクルートが楽天、ヤフーに挑戦状を叩きつけた」といった見方がなされた。
 ポンパレモールへの出店手数料の割安さなどが、その理由として指摘された。ちなみに当初の出品アイテム数は約140万商品。それがわずか2年余の今年半ばには約2500万商品に達している。
 ポンパレモールの担当者は「挑戦状云々は皆さん方の早とちり」とまずは軽くいなす形で、立ち上げの背景を語ってくれた。
 周知の通りリクルートは、「旅」や「美容」に始まり多種多様な情報媒体・サイトを有している。そして各サービスを介し予約・来店・商品が購入された時点で、(リクルート)ポイントが付与されるという枠組み。一連のポイントとモールサイトのIDの共通化を確立することが、サイト開設の最大の契機と捉えることができる。
 誤解を招きやすい表現を覚悟で記すなら、ECで大もうけしようなどとは考えていない。挑戦状とか”先達に追いつけ追い越せ”といった意識はこれっぽっちもない。逆にそれがポンパレモールの優位性ということができる。つまり、きれいごと過ぎると指摘されるかもしれないが、「出品数の増加を促すことで、ユーザーにとり使い勝手の良いモールサイトにしようと考えている」が取材の実感である。
 ちなみにアイテムのジャンルは、はなから全てのジャンルという位置付けで展開が進められた。もうけを大前提とした”一点突破論”がなかったとは言い切れないが、同モールの立ち上げは「それではサイトに色がついてしまう」という姿勢をベースとしていた。
 リクルートでは他にも多種に及ぶネットサイトが稼働している。例えば、ゴルフ場予約サイトの「じゃらんゴルフ」。このサイトでは、ゴルフグッズのネット購入も可能。ポンパレモールも含め、各種の自前メディアを介し生活者のイベントと携わっていくことを狙いとしている。それがマーケティングにもつながり、各メディア・サイトの相乗効果につながっている。
 さてリクルートの株式とはどんな付き合い方が肝要か。今年に入っての値運びは適宜な押し目を挟んでの上昇基調。時価3900円出入り。直近安値3280円から再度じり高基調。9%近い好ROE企業。IFIS目標平均株価4601円をじっくりと待ち構えたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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