【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇110◇ お客さま調査はどこまでするべきか?/もっとお客さまを知り、お客さま目線で自社の対応と他社動向を分析する(2025年1月9日号)

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【Q】

 調査会社に依頼してお客さま調査をしたり、ロイヤルユーザーにインタビューさせていただいたり、なるべくお客さまのご意見は聞くようにしているつもりですが、なかなか業務改善に結び付けることができません。
            (中堅通販会社)

【A】もっとお客さまを知り、お客さま目線で自社の対応と他社動向を分析する


◆もっとお客さまを知る!

 私は最近セミナーでお話しをさせていただく時に、必ず最初に「自社のお客さまについてどのくらい知っていますか?」という質問をさせていただくことにしています。当社が主にお手伝いしているのは通販化粧品会社で、直接お客さまにお会いする機会は少ないはずですが、最近は「イベントで会っている」とか「お客さまインタビューをした」といった回答が少し多くなってきました。それでも、毎月定期的にお客さまに会っているか、声を聞いているかなど、細かくヒアリングしていくと、なかなか満足のいく回答は得られません。
 私はこの状況は大きな課題だと考えています。そのため当社では「まず徹底的にお客さまを知ること」をご提案しています。販売する相手を知らないことにはどんなビジネスも成り立たないからです。
 まずは、お客さまの声を徹底して調べます。これまであらゆるところでヒアリングしたお声や、カスタマーセンターに寄せられたご意見なども分析します。最新のお声はウェブアンケートなどで簡単に集められます。それらの結果をロイヤル層、ライト層、離脱層というお客さま層ごとに分類して、それぞれの特徴を明確にします。この定量調査結果をもとに、次は各層ごとの定性調査を実施します。方法は層ごとのグループインタビューやデプスインタビュー(一対一の形式で深く聞く定性調査)です。
 この定性調査で明らかにすることは、「お客さまのライフスタイル」から「美容知識のレベル」「そもそものニーズ」「なぜこの商品を購入したか」「購入に至る情報取得の方法」「商品の第一印象」「使用方法」「使用後の感想」「満足度の詳細」「他社品との比較」「価格評価」までです。
 かなり詳細にわたってヒアリングするので、お客さまの傾向が明確になります。その結果を元に、どうやってお客さまをロイヤル層に引き上げるか、さまざまな施策を実行します。


◆お客さまの嗜好に合わせて

(続きは、「日本流通産業新聞 1月9日号で)

<プロフィール>
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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