【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇83◇ 気が付いたら、お客さまが変わっていた?

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【Q】

 新規顧客の獲得がなかなか難しくなったので、当初の予定を変更して媒体経費の安い新聞広告にシフトし、初回特典は大幅な値引きで、定期顧客獲得を視野にキャンペーンを展開しました。しかし、その後は2回目以降に継続するお客さまが少なくなってしまいました。(中堅の通販化粧品会社)

【A】 媒体、商品、施策&特典で客層は変わる

◆想定しないお客の集団に

 通信販売の新規顧客獲得は、最初の媒体次第で客層が大きく変わることはすでにご承知の通りです。
 例えば、新聞紙面に出稿すると、現在ではほとんど60代から70代のシニア層しか集客できません。若い世代は新聞を購読していない世帯が多いので当然です。新聞でもチラシと紙面では少し客層が異なります。紙面は新聞のロイヤルティーが生まれるので、やや知的レベルの高い層で、世帯年収も同世代の中ではやや高い方に。チラシの場合はもう少し庶民的なお客さまになります。テレビのインフォマーシャルの場合は、もっとざっくばらんなお客さまが多くなりがちです。
 新規顧客獲得に向けて最初に販売する商品でも客層は変化します。
 例えばオーソドックスなオールインワンタイプの商品は、手軽さや便利さを支持している人や、あまりお手入れに時間を掛けたくないという人が多くなる傾向があります。逆に美容液やパックなどのスペシャルケアは、美容意識の高いお客さまが集まります。ファンデーションだとメークをするお客さまなので、どちらかというと外に出かける必要があったり、人に接する機会が多かったりする人になります。
 オーガニック商品や無添加化粧品は、肌トラブルを抱えた人や自然派志向の人が多くなります。
 また、特典やキャンペーンなどの施策によっても客層は大きく変化します。
 例えば、商品内容やコンセプトではなく初回の大幅割引に引かれて購入してくださったお客さまは、なかなか正価で継続してくれることはないでしょう。1個買ったらもう1個ついてくるキャンペーンも、実質半額キャンペーンなので、こちらもよほど商品が気に入らない限り、正価で買い続けてくれることはないでしょう。
 つまり、お客さまはどんなところに出店しているのか(媒体)、どんなモノ(商品)なのか、いくらで買えるのか(価格)に大きく左右されます。そこに商品の価値を高めるコンセプトや主張、商品の狙いや目的などをきちんと織り込んでおかないと、想定しないお客さまの集団になってしまう場合があります。


◆顧客調査をしてみると…

(続きは、「日本流通産業新聞」7月28日号で)

〈プロフィール〉
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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