【強い通販化粧品会社になるために~基礎講座Q&A】◇79◇ 売上アップの役に立たない会員情報誌をやめようかと思う。 (2022年2月10日号)

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〈Q〉

 創業以来、売り上げは順調に伸びて中堅といわれる規模になってきました。しかし社内は少数精鋭で運営しているため、常に人手が足りない状態です。中でも会員情報誌の発行は手間暇もコストもかかる割に、売り上げに貢献しているかどうか不明なので発行をやめようかと考えています。(中堅の通販化粧品会社)

〈A〉 会報誌はブランディングの中心、ファンとの絆にも

◆役立つ内容が不足している

 会員情報誌が「売り上げに貢献しているかどうか不明」ということですが、それは「お客さまの役に立つ編集内容」にする工夫が少し不足しているのかもしれません。
 弊社が過去に手掛けた事例では、情報誌を大幅にリニューアルしたところ、売り上げが対前年比130%を4年連続で達成した例があります。もちろん同時に新規顧客獲得も拡大していたからの結果ですが、同様の例は、他社の案件でも多くあります。
 弊社が会員情報誌のリニューアルを依頼されたときには、まず徹底してお客さま調査から始めます。定量調査、定性調査、過去の会報誌やDMの発信内容と商材別の売り上げデータを詳細につき合わせて、お客さまの嗜好や傾向、買い物行動のパターンを調べつくします。
 そして、お客さまが何をご不満に思っているか、どんな情報を欲しているかを調べて、何をお伝えしなければならないかを考えます。丹念にそれを繰り返し、お客さまのペルソナ像を設定し、情報発信の課題を見つけて、会員情報誌の発行目的やテーマ、毎号のコンテンツと表現方法を決めていきます。


◆ブランディングの役割を

 さらにはターゲット層に受け入れてもらえるような言葉の使い方、ビジュアル表現などを研究し、会員さまに「届くのが楽しみになる」と言ってもらえるような情報誌づくりを目指しています。
 この段階になるとある程度は成功が見えてきます。つまり弊社が考える「通販化粧品の販売における会員情報誌」は、ブランディングの一環で、お客さまと強い絆で結ばれるための最強の情報発信手段なのです。
 紙媒体で、あるいはウェブで、届ける手段はさまざまになりつつありますが、会員さまに定期的にお届けする「マガジン」は、化粧品情報だけにとどまらず、ライフスタイル提案、暮らしのヒントなど、お客さまに「役立つ情報」をお届けすることによって、お客さまと私たちをつなぐ「絆」にすることができるのです。


◆付加価値ある販売を目指す

(続きは、「日本流通産業新聞」2月10日号で)

〈プロフィール〉
 鯉渕登志子(こいぶち・としこ)氏 アパレル業界団体、カネボウファッション研究所を経て(株)フォー・レディーを設立。化粧品通販を中心に「女性のための女性による広告制作」を手掛けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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