【EC向けサービス事例】第62回 一元管理システム「アシスト店長」/導入サイト メンズアパレルEC「ディーコレクション」/多店舗一元管理とCRMを同時に実現

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事業部長 伊藤之裕氏

事業部長 伊藤之裕氏

メンズアパレルECのドラフト(本社福井県、伊藤佑樹社長)は15年4月、ECサイトの一元管理システム「アシスト店長」を本格導入した。多店舗を一元管理できるだけでなく、顧客分析に基づいたメールを配信できる点が、同システム導入の決め手になったという。
 同社は「Dcollection(ディーコレクション)」などメンズアパレルのECサイトを6店舗運営している。自社サイトだけでなく、楽天市場やヤフーショッピングなどモールにも出店しており、各店舗を一元管理したいと考えていた。さらに、手動で実施していた購入者へのフォローメールの配信をシステム化することにより、その作業にかかる労力を削減したいという考えもあった。
 ただ、「多店舗一元管理システム」と、メール配信を自動化できる「CRMシステム」を別々に導入するとコストがかさむ。さまざまなシステムを比較検討する中で、〝多店舗の一元管理〟と、顧客分析に基づく〝メール配信の自動化〟を一つのシステムで実現できる「アシスト店長」の存在を知り、導入を決めた。
 「『アシスト店長』だけで完結できるため、二つのシステムを導入するよりもコストを約2分の1に削減できる」(事業部長・伊藤之裕氏)と話す。
 同社は今期(16年2月期)から、ファッションに関心を持ち始めた若年層を対象に、ファッションの知識を提供しながら商品を訴求する取り組みを開始している。この新戦略の取り組みにおいても、「アシスト店長」のCRM機能が効果を発揮している。顧客の購買実績に応じてメール内のコンテンツを出し分けすることにより、顧客の反応が変わったという。
 同社はまず、初回購入の顧客に向けて、「おしゃれの教科書」と題した、ファッションの理論をわかりやすくまとめたコンテンツのメール配信を開始した。ファッションの知識を深めてもらうことにより、再利用を促す狙いがある。
 「実際、お客さまからのコメントを見ると、『おしゃれの教科書』をしっかり見てくれていることがわかる」(同)と話す。
 さらに、2回購入してくれた顧客へのメールには、自社のことをより深く知ってもらうためのコンテンツを掲載するようにした。本社がある福井県について紹介したり、中国にある製造工場での取り組みを説明したりすることを通して、同社に親しみを持ってもらえるようにしている。
 同社は「アシスト店長」の顧客分析機能を活用し、顧客セグメントに応じたダイレクトメール(DM)も配布している。セグメントごとの反応率を分析し、DM施策の精度を向上させようとしている。「アシスト店長」は、メール配信だけでなく、DMや同梱チラシ・サンプルなどの管理にも役立つ。
 「今後は顧客セグメントに応じてより細かく販促施策を実施したい」(同)と話す。同社は「アシスト店長」を活用し、顧客との関係強化を図っていく。19年2月期には年商を13億円まで拡大させたいという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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