【EC向けサービス事例】第114回 ウェブ接客ツール「ヒキアゲール」/導入事例 「ハイサイド・コーポレーション」/顧客に合わせた表示と誘導でおもてなし

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ハイサイド・コーポレションのシークレットページ

ハイサイド・コーポレションのシークレットページ

 美白やエイジングケアのドクターズコスメ「アンプルール」を販売するハイサイド・コーポレーション(本社東京都、高瀬武英社長)は16年1月から、リピート通販支援のテモナ(本社東京都、佐川隼人社長)が提供するウェブ接客ツール「ヒキアゲール」を導入し、転換率の向上に役立てている。
 ハイサイド・コーポレーションは、40~50代をメインターゲットにしており、ECで人気のある化粧品の中では比較的高価格帯に位置している。このため、1週間分が1890円で試せるトライアルセットも用意している。
 03年にスキンケア商品の販売を開始し、3年後にはネット経由の販売が中心となった。現在は約9割の注文がネット経由となっている。売り上げは年々増加しているものの、ECでもっと「おもてなし」を提供して、顧客数を増やしたいと考えていた。
 従来はシミやエイジングなど、悩みに特化した訴求により美容意識の高い顧客が来訪していた。しかし、18年3月の創業15周年に向け「化粧品を売ることをやめて、美白美肌を作り上げるものを提供していこう」という考えに方針転換した。
 新規顧客の幅が広がる中で、大きな肌悩みではないが興味を持ってトライアルを購入する顧客も増えた。こうした顧客を本商品に誘導するためのシークレットページも用意している。
 「ヒキアゲール」は、来訪した顧客に、前回トライアルを買った人か、どのサイトから流入したかなど、実績や属性を加味して作ったシナリオに沿ってページを表示できる。
 シークレットページへの誘導を表示した場合と表示しない場合を50%ずつ出し分けて効果測定をしたところ、表示した方が約2倍も転換率が高かった。最適なページの誘導に「ヒキアゲール」を有効活用している。
 流入元のサイトも考慮し「(流入元サイト名)をご覧になったお客さまへ。今、ポイントが何倍です」などの表示も行っている。
 また、既存顧客も過去の購入履歴から購入しやすい金額を考慮したページの見せ方や商品の推奨、クーポンの配布を行っている。
 顧客ごとに購入に抵抗のない金額は違うもの。「トップページに出ている商品の価格が高いだけで無理と思って離脱されるのは避けたかったし、お客さまにとって心地いいお勧めで〝キレイ〟を手に入れてほしい」(品川嘉代執行役員)と話す。
 ハイサイド・コーポレーションは化粧品の店舗向け卸も行っており、大型店舗では美容部員が接客している。その一方で、ECで買う人はますます増加すると捉えている。
 ECでも店頭のような接客ができるよう、チャットの導入なども検討したいとしている。手厚い接客と顧客満足の向上をさらに推し進めていく。

《システム概要》
 サイトに来訪した人の行動履歴、購買履歴、年齢、性別などのデータをもとに、自動的に最適なサイトの表示をする。例えば、トライアル商品の購入実績のある顧客が2回目にランディングページを訪れた際に本商品や定期コースの割引を表示したり、購入商品に合うクロスセル商品を表示していく。テモナの提供するリピート通販システム「たまごリピート」とは自動連携している。初期費用と月額利用料は2万9800円から。一定の機能を無料で利用できるプランも提供している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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