【EC向けサービス導入事例】第54回〈アイリッジのアプリ開発〉/導入企業「トリンプ・インターナショナル・ジャパン」/5月のEC売上が前年の2倍以上に

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トリンプ公式アプリで実施した、クーポンが獲得できるキャンペーンゲーム画面

トリンプ公式アプリで実施した、クーポンが獲得できるキャンペーンゲーム画面

下着を製造販売するトリンプ・インターナショナル・ジャパン(以下トリンプ、本社東京都、土居健人社長)は15年3月に配信を開始した公式アプリが人気を集め、5月の月間EC売上高が前年同月の2倍以上に拡大した。スマートフォン(スマホ)を活用したOtoO支援を行うアイリッジ(本社東京都、小田健太郎社長)がアプリの企画・開発に携わった。
 トリンプ公式アプリは、トリンプが展開する下着ブランド「AMO’S STYLE by Triumph(アモスタイル バイ トリンプ)」の直営店や公式通販サイトで購入するとポイントがたまる仕組み。
 このほか、カテゴリーごとの商品検索や店舗検索、ニュース配信といったメニューを取りそろえている。
 「アプリは新規登録をしてもらうまでが大変だが、一度ダウンロードされると低コストで顧客接点を豊富に持つことができ、リピート購入もしてもらいやすくなる。顧客との接触が増えると購入頻度も高くなる」(小田社長)と、アプリの効果について話す。
 アプリを活用したことで、実店舗だけでなく、通販サイトにも誘導できたとしている。
 まず、直営店の店頭でアプリのダウンロードを促した。店舗で配布していた会員証カードをアプリに集約して、顧客がネット、店頭のどちらで購入してもポイントが利用できたり、顧客情報が一元管理できるようにした。
 トリンプ公式アプリでは、アプリスタート記念としてゲーミフィケーションを取り入れ、顧客のアプリ来訪を促進した。スマホを振ると画面上でブラジャーの絵が飛び、店舗と通販サイトで利用できる500円のクーポンが当たるという内容だ。
 ゲームは1日1回の制限を設けた。SNSでシェアすると追加で1回挑戦できる仕組みとし、アプリの拡散も行った。
 このほか、応募したアプリ会員限定で「100万ポイント山分けキャンペーン」を実施。会員限定キャンペーンでアプリのダウンロードを促した。
 トリンプは「アモスタイル バイ トリンプ」以外にもさまざまなブランドと直営店を展開している。現在、アプリを利用できるのは「アモスタイル バイ トリンプ」のみだが、今後はほかのブランドにも拡大していきたいとしている。
 アイリッジによると、店舗を持つ事業者にとって効果が高いアプリ機能は(1)クーポン発行(2)ゲーミフィケーション(3)お知らせ通知機能(4)実店舗でのスタンプラリー─の四つがあるという。
 店舗に近付いたときにクーポンを発行したり、特殊なスタンプ型の機械でスマホの画面上にスタンプラリーのスタンプを押したりできる。
 アプリは大手通販会社だけが活用しているイメージがあるが、中堅規模の事業者向けに、こういった人気の機能を搭載したパッケージも展開し、アプリ配信のハードルを下げる取り組みも始めている。


〈システム概要〉
 アイリッジはOtoO支援で特にスマホアプリの企画・開発を得意としている。位置情報の活用に強みを持つため、実店舗の集客で実績を多数持つ。マツモトキヨシ、ファッションブランド「GU」のほか、商業施設、金融、交通などさまざまな分野でアプリ開発を支援している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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