【EC向けサービス導入事例】第40回〈自動価格調査・更新システム「プライスサーチ」〉/導入サイト「多慶屋」/価格調査の時間が3分の1以下に

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老舗ディスカウントストアー「多慶屋」のECサイト

老舗ディスカウントストアー「多慶屋」のECサイト

老舗ディスカウントストア「多慶屋」を運営する多慶屋(本社東京都、海野美津雄社長)は14年7月、自社で開設しているネットショップの業務効率化や、売り上げ拡大を図るため、自動価格調査・更新システム「プライスサーチ」を導入した。導入後、価格調査の時間を3分の1以下に削減できるようになったという。さらに、競合店の出品状況や価格推移をリアルタイムに把握できるようになったことは、MD(商品企画)の強化にもつながっているという。
 多慶屋は自社サイトに加え、楽天やヤフーといったモール店も展開している。ECサイトでは、家電製品を主力に、数千品目の商品を取り扱っている。大手家電量販店がEC市場に本格参入し、価格競争も激化する中、同社はバリュース(本社東京都、管野敦夫社長)が提供する「プライスサーチ」の導入を決めたという。
 「これまで価格調査は、実店舗がオープンする前に、1時間30分くらいかけて行っていた。家電分野だけでも1000品目以上取り扱っており、それだけ時間をかけてもすべてチェックすることはできなかった」(家電カテゴリー担当者)と話す。担当者によって価格調査の仕方も異なっており、時間のかかり方も担当者によってバラバラだったという。日々の業務の中で大きな負荷となっていた「価格調査」の労力を削減しようと考え、自動価格調査サービスを探したという。
 複数の自動価格調査サービスを試す中で(1)手軽に導入できる(2)対応サイト数が多い(3)キーワード検索ができるなど機能も充実している─といった条件を満たす「プライスサーチ」を導入することにした。これまでは競合サイトに訪問し、手作業で商品価格を調べていたが、導入後は「プライスサーチ」のページ上で自動的に価格調査を実施できるようになった。
 登録商品の価格を、楽天やヤフー、アマゾンなど大手モール内の店舗まで含めて調査できる。それだけでなく、ベンチマークしている競合店の価格も一覧で把握できるようになったという。導入後は、家電分野の約1000品目の価格調査を30分以内に済ませることができるようになった。
 さらに、競合店の価格推移や販売状況を把握することにより、MDも強化できるようになったという。
 「他社の動きを見て、さらに安い価格を付けたりすることが手軽にできるようになった。調査の結果、大手家電量販店がほとんど取り扱っていないことが分かったある調理器の販促を強化したところ、大きな売り上げを上げることができたケースもある」(同)と話す。
 今後も「プライスサーチ」をさらに積極的に活用することにより、”攻めのMD”を推し進めていきたい考えだ。


〈システム概要〉 
 指定した商品の「価格.com」「楽天市場」「ヤフーショッピング」「アマゾン」における最安値や、指定した競合他店の価格を調査できるシステム。商品番号のある家電やゲームは販売価格が購入の決め手になるため、EC事業者の中には手作業で最安値を調査し、その価格を下回るよう調整しているというケースが少なくない。この作業をシステムで自動化することにより、労力を削減することができる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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