【Eコマース業界地図 「ECサイト構築サービス編」】 運営代行まで行う企業が増加

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 ECサイト構築サービスは次々と新たなソリューションが登場している。これまでのようにスタートアップ企業は安価に利用できる「カートASP」、成長してくると自由度が高い「オープンソース」のシステムで開発して、中堅大手になるのと「パッケージ」をベースにカスタマイズして、オリジナルのサイトを作るといったパターンが必ずしも正解ではなくなった。カナダ発の「ショッピファイ」はスタートアップから世界的なスポーツメーカーまで導入している。企業が実現したいECの形や状況に合わせてソリューションを選ぶべきだろう。多様化するECサイトを構築するためのシステムを、ECのウェブメディア「eccLab」と共同でまとめている。自社のシステム選びの参考にしてほしい。

 ECサイト構築サービスの提供企業が、システム提供にとどまらず、運営支援サービスまで提供するケースが増えてきた。
 カートASP「shopserve(ショップサーブ)」を提供しているEストアーは、ECサイトの集客や制作、運営まで代行するサービスを提供している。「ショップサーブ」を利用していない企業の支援も行っており、総合的なEC支援企業となっている。
 顧客企業の商材などに応じて最適な集客手法を提案しており、ネット広告運用にも強みがある。グーグルから代理店として表彰されるなど外部からの評価も得ている。
 GMOメイクショップもファッションECに特化し、運営代行サービスの提供を開始した。M&Aによって経験豊富な支援チームを構築している。
 システム提供だけにとどまらず、運営支援まで行うことで、クライアントと長い付き合いができる。さらに運営支援によって得られたノウハウはシステムの機能に反映させることもできる。今後もシステム会社の運営支援サービスは増えそうだ。

〈カートASP〉
 カートASPの大手サービスは固定化したかのような見方もあったが、欧米圏で圧倒的なシェアを持つ「ショッピファイ」の参入で状況は変わるかもしれない。パートナー企業が自由に機能開発やテンプレートデザインの販売ができるオープンなプラットフォームは、国内のソリューションにも影響を与えそうだ。商品分野ではファッションジャンルの顧客獲得競争が過熱している。「フューチャーショップ2」は有力企業に多く採用されているが、「メイクショップ」は運営代行サービスを開始し、さらに顧客数を伸ばしている。さらに競争は過熱しそうだ。

〈リピートカート〉
 定期購入機能を用意したリピートEC事業は成長分野として注目が集まる。健康食品や化粧品だけではなく、最近は食品やファッションでも定期購入型のサービスが広まっている。トップシェアの「たまごリピート」は後継版のソリューションを提供し、さらなるシェアの拡大を狙う。多様化するニーズをターゲットに、カスタマイズ性やマーケティング機能の充実度で勝負するソリューションもある。サービス開始から1年間で200サイト以上の構築を支援した「EC Force(イーシーフォース)」が台風の目となるのか注目だ。

〈BtoBカート〉
 BtoB—EC市場が拡大する中、BtoBに特化したカートASPにも注目が集まっている。特化型のサービスとしてパイオニア的な存在である「Bカート」は、導入実績や機能面で他社を一歩リードしている。ネットショップ支援室が提供を開始した「楽楽B2B」は、システムのカスタマイズに対応するなど、「Bカート」にない機能を提供し、顧客獲得を急ぐ。

〈パッケージ/クラウド〉
 1100サイト以上を構築し、パッケージでトップシェアを誇るecbeing(イーシービーイング)は昨年、クラウドサービスの提供を開始した。カスタマイズ性は劣るが、迅速に最新の機能を導入できるクラウドサービスのニーズは高まっている。クラウドサービスとして先行する「ebisumart(エビスマート)」は、外部パートナーとの連携を強化する。大手通販企業の支援実績が豊富なコマースニジュウイチやエルテックスは、機能性をさらに拡充し、大手企業の細かなニーズに対応している。

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