【ニュースの深層】□□125〈国セン、CF終了後のトラブルで苦情・相談増加〉 大手プラットフォーマーは事前審査を厳格化(2022年10月27日号)

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 国民生活センターは今年7月、クラウドファンディング(CF)終了後に、プロジェクト実行者が支援者に対して、商品(リターン)を送らないトラブルが発生していると注意喚起を行った。今年1月から6月までの間に、CFに関する苦情や相談は120件を超え、大半は「リターンが届かないトラブル」に関しての相談だという。トラブル内容は多岐に渡り、CFの大手プラットフォーマーはトラブルの対策に頭を悩ませている。大手プラットフォーマーがトラブルをどう受け止め、対策を練っているかに迫った。

 国民生活センターは7月20日、サイト上に「リターンが届かない クラウドファンディングのトラブル」と題して、近年多発しているCFのトラブル事例について取り上げた。
 内容は「CFサイトでレーザー工具のメーカーに約10万円の支援をした。プロジェクト終了後、リターンとして送られてくるはずの商品が2カ月間経っても届かない。サイトの運営者に問い合わせをしても、メーカーに連絡をするよう言われただけだった」というものだ。
 このトラブルは一例で、ほかにも「発送の延期が繰り返され、届く気配がない」「想定したものと違う返礼品が届いた」などのトラブルも起きている。
 国民生活センターは消費者の対策として(1)支援を行う前にプロジェクトの説明やCFサイトの規約を読み、事前に不明点がある場合は実行者や運営サイトに確認をすること(2)トラブルが起きた際は、原則当事者同士での解決になるため、実行者に返金を求めること(3)当事者同士で解決できない場合は、サイト運営者に協力を依頼すること─などを挙げている。
 ただ、この対策だけでトラブルを防げるわけではないようだ。
 複数の大手プラットフォーマーは、CF終了後にトラブルが発生したとしても、プロジェクト実行者に「現在このような声が寄せられているため、状況の説明を求める」ことを促すくらいしかしていないという。実行者から返答がない場合は、サイト運営者が購入者に返金対応せざるを得ないのが現実だという。
 CF大手のマクアケとCAMPFIRE(キャンプファイアー)は、トラブルが起きてからでは遅いと考え、未然に防ぐための対策を強化している。


■入念に事前審査

 マクアケは入念に事前審査を実施することや、プロジェクト実施前・実施中・実施後と一貫して進捗を包括的に管理することにより、トラブルの発生を防ごうとしている。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月27日号で)

坂本めぐみ執行役員 品質保証本部長兼人事本部長

高山亜希子取締役上級執行役員

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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