【ニュースの深層】□□182 <国セン、テレビ通販の消費者トラブルを発表> 「注文を受けない」仕組み作りも進む(2025年10月23日号)

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 国民生活センター(国セン)は今年9月、消費者から寄せられたテレビショッピングに関するトラブルの内容について発表した。「認知症の母が商品を間違えて購入してしまう」や「父がテレビショッピングで真空ポンプと真空保存袋を注文した。電話で定期購入を薦められ、断ったにもかかわらず定期購入になっていた」などの声が寄せられている。やはり高齢者に関するトラブルが多く、企業によっては認知症を患う高齢者の場合は、家族と相談し、注文を受け付けられないよう設定する企業もいるようだ。有力企業はどのような対応策を実施しているのか、業界の課題や解決策などについてまとめた。

 全国の消費生活センターに寄せられたテレビショッピングに関する24年度の相談件数は、8705件となっている。契約当事者を年代別にみると、70歳以上の相談が全体の8割弱を占めており、高齢者からの相談が目立つ結果となった。
 相談事例は、「マッサージ器の力が強く使用できない」という使用感が自身に合わなかった相談や、「アクセサリーがテレビ広告から受けた印象よりも小さかった」などのイメージ違いに関する相談、「高齢の家族が次々と購入してしまう」という家族からの相談もある。そこで、国センはテレビショッピングに関する相談の特徴や消費者へのアドバイスを整理し、注意を呼びかけている。


■有力企業の対応策

 これらの問題に対して、テレビ通販事業を展開する有力企業はどのような対応策を取っているのか。主に(1)約1カ月間の返品交換対応(2)広告の適切な表示─などを実施している。
 ショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を放送するジュピターショップチャンネルでは、返品対応と適切な広告表示、細やかなコールセンターでの応対に加え、同社の顧客対応部門担当者が各地の消費生活センターを定期的に訪問している。さまざまな情報収集・意見交換を行い、事業活動に反映している。
 顧客が安心して利用できるよう、寄せられたさまざまな意見は、トップマネジメント・顧客対応部門担当役員・販売部門担当役員・管理部門担当役員・商品調達部門担当役員・顧客対応部門などの関係者で構成される「VOC(Voice of Customer、ボイスオブカスタマー)委員会」に寄せられる。同委員会は毎月開催しており、さまざまな意見を番組作りに活用したり、意見を基にOA後の放送を法務部門でモニタリングしたりしている。ガイドラインに逸脱していた場合は、関係部署にフィードバックして再発防止に努めている。

(続きは、「日本流通産業新聞 10月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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